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洋楽一律3000円

2004年05月12日

海外盤 CD 輸入禁止に反対する

海外盤CD輸入禁止に反対する

しばらく前から問題になっているようですけれど,これは本当に困った話です。

改正案の核心は「輸入権」なるものなんですけど,とりあえずここでは「再販制度」の話から一言。個人的に洋盤の価格が上がるのはイタいので……。

さて,日本のレコード業界には「再販制度」(再版価格維持制度)というケッタイな制度があります。ご存知でしょうか。これは簡単にいうと CD やレコードを販売する会社が,小売店での価格を指定できるという制度です。書籍なんかでも同じようなことやってますよね。コンビニでも大型書店でも同じ価格。

もちろん,メーカーが価格を指定して売るというのは自由な経済活動を阻害するものですから,本来なら独禁法の規制対象になります。それでも音楽 CD や書籍で価格の指定が許されるのは,これらの著作物が規制から除外されているからです。

一方,輸入盤には再販制度が適用されないから,CD の価格は小売店が自由に決めることができます。現在,輸入盤は国内盤の7割から8割程度の価格で購入できるようですね。価格の違いは,外資系の大手レコード小売店(HMV とか Virgin)を見ると分かると思います。

今回審議されている著作権法改正案は,国内のレコード会社が販売している洋楽は,国外から輸入できないようにしようというものです。つまり,これが通ると国内で流通している洋楽は,国内のレコード会社が牛耳ることになるわけで,国内のレコード会社が売るということは,再販制度の対象になる洋楽ばかりが出回るようになるというわけです。

価格が上がるのは,輸入禁止と再販制度の合わせ技ということですね。

もっとも,この再版制度,ケッタイな制度と書いたけれど,一応設けている理由はあります。つまり,価格が自由になると売れない CD はメーカが作らなくなってしまうから,ここはひとつ価格の点でメーカーにイニシアティヴを持たせましょう,といったものです。マイナーな著作物(特に,芸術・文化関係のメディア)を,日本中遍く流通させようという目的ですね。

ただ,今やレコード会社は,アーティストの作品を右から左に流通させるだけではなくて,積極的に著作権を目的にして商売しています。著作者や視聴者の保護といった名目を掲げていても,結局業界の保身が第一義になっているのは否めないでしょう。また,仮に再版制度の目的が妥当だとしても,マイナーなタイトルが日の目を見るかどうかは,結局レコード会社の一存に頼ることになっているようにも見えます。

近頃はインターネットみたいな新しいメディアも普及しはじめていることですし,著作者としても消費者としても,そろそろこのような一元的な媒体に代わるチャンネルを模索すべき時が来ているのかもしれません。例えば,インディーズの手法よろしく,ウェブサイトで試聴版を配布してアーティストやその事務所が直販するとか……(ここら辺の経済ってよく分かってないんですけど)。

AIAN は音楽好きだけど,基本的にお金を持っていません。輸入盤が無くなってしまうのは,本当に困った話です。これからは,よっぽど欲しいタイトルでもない限り,数年待って中古買いになるんでしょうか。

それより何より,これから「Weather Report」の CD ジャケットに日本語で「ウェザー・リポート」と書かれた CD しか出回らなくなったり,必要もない歌詞カードやライナーノーツがついてくる CD しか買えなくなるのかと思うと,暗澹たる気持ちになってしまいます(注:憶測の域を抜けてないので,あしからず)。

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