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読書感想文考

2004年07月21日

巷のガキどもは夏休みみたいです。

夏休みといえば,読書感想文。これは欠かせません。適当なサーチエンジンで検索すると,それっぽいサイトがたくさん見つかるから,きっと苦労している人が多いんでしょうね。『舞姫』(森鴎外)や『変身』(カフカ)なんかが題材になってたりするけれど,中高生にも課されるもんなんでしょうか。AIAN は小学生の時だけでした。

夏休みは,生徒を遊び呆けさせないようにするためか,すさまじい分量の宿題が出ていた気がします。中でも,AIAN は読書感想文が本当に地獄でした。まさに,宿題の「大ボス」です。そもそも何を書いたら許してもらえるのか分からないまま(もはや「許して」なレベルなのです),8月30日頃に泣きながら書くのが毎年恒例になっていました。

いまだに分からないんですけど,「読書」の「感想」って何なんでしょうね。

読書感想文というジャンルは,書評でもないし,随想でもない。もちろん小説でも論文でもありません(多分)。「こうすれば書ける読書感想文」によると,

感想文は「生活作文」である。

なんだそうです。生活作文ってのは,自分の身の回りあるいは自分自身について書いた作文のことなんでしょう(多分)。そうすると,「読書感想文」というのは,「読書」を通じて自分の身の回りのことを書くということになりそうです。

読書と生活作文は,それぞれ単品でするにはあまり苦労しません。読書感想文の難しいところは,「本の中身に合わせて,自分の生活を書く」という合わせ技をしなくちゃいけないところにあるんじゃないでしょうか。両者は脈絡がありそうであまりないから,きちんとした文章にするには相当の発想力が要ります。難儀するのも頷けます。

もっとも,難儀するといっても,読書感想文には常套句があります。それが,

ぼくも,○○くん(登場人物)のように,△△なきもちでがんばろうとおもいました。

みたいな文句。「本の中身」と「自分の生活」の連結部分です。今にして思うに,ここができれば読書感想文の8割はできたようなもんです。逆に,ここの出来・不出来で,担任に呼ばれるか呼ばれないかが決まるように思います(怒られるという意味で)。

大抵ここには,自分でさえ思ってもみないことで,実践に移すつもりなんて微塵もない内容の文句が入ります。強制的に読まされてるんだから当たり前です。

評価が良いのは,「自分の生活」の部分に真実味があること。例えば,普段から親の手伝いをしない子が,

ぼくもおかあさんのてつだいをしているとき……

なんて書いても嘘がばれてしまいます。同様に,同じような子が,

おてつだいをがんばろうとおもいます

なんて書くのも,嘘がばればれです。もちろん,高尚なことを書けるほどの生活背景を持っている子供ってのは,あまりいないはずです。ですから,要は,どれだけばれないように現実味のある理想を書けるかってところに落ち着くように思います。「理想」というのは詰まるところ,オトナが理想としているコドモ象……といったら,言い過ぎでしょうか。

まぁ,こんな風に思ってるのはあたしだけかもしれませんけど,ヒグラシとツクツクホウシが鳴き始める夕暮れ時,読書感想文を書き終えた後の徒労感というか,寂寞とした感じは,いまだに忘れられません。

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