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P2P の土壌

2004年09月23日

Technology Used to Trade Pirated Music Could Help Faculty Members Share Teaching Tools」(The Chronicle of Higher Education

表題だけだと分かりにくいかもしれません……。要するに,しばらく巷を騒がせている P2P 技術を,教育現場に活用しよう,といった話です。

あたしが専攻していた分野(法学)では,勉強に使う媒体が専ら文章だったこともあって,P2P 技術の必要性は乏しい方だったけれど,その手の学問にとってみると,かなり画期的な技術になるんじゃないでしょうか……。例えば,ここで紹介されている,「建築関係」はもちろん,視覚的・聴覚的な媒体を対象とする芸術系(絵画・彫刻・音楽)のデータや,人間科学系(スポーツ科学系)の動画,医療系の症例写真のような感じ。共有されたら便利かもしれません……詳しいことは知らないんですけどね。

今まで,

使い方が悪いからといって,P2P 技術そのものを悪者扱いするな

みたいな言を聞いてもピンとこなかったんですけど,やっぱり形になると分かりやすいです……。

もっとも,P2P 技術を有効に利用するには,ある意味,学問の現実世界も開かれている必要があるような気がします。インターネットが軍事技術から民生用に転用されたときは,情報技術の流通を目的にしていたようですけれど,情報技術を初めとした理科系分野の学問は,もともと先端技術を共有する土壌があったように思います。

法学の場合,言っちゃあなんですけど,P2P はおろか,ウェブの利用度そのものもかなり低い方だったりします。大学関係者が利用しているのを見ても,先生が趣味の一環でウェブページを作っている程度。逆に,セミプロのような法学学習者のサイトの方が,元気だったりして……。もちろん,判例や法令のように,みんなが共有すべきデータというのもあるわけで,電子化を初めとした情報共有の仕組みもないわけじゃありません。けれど,他の分野を見てしまうと,お世辞にも利用しやすい状況とは言えないように思います。

法学って,情報共有の土壌はあまりないんでしょうか……。

話が逸れたかな……。ともかく,学問の中でも,その基盤に「オープンな世界」というか「裾野の広さ」みたいなものがないと,P2P を利用しきれないように思うわけです。まぁ……学問一般が P2P 利用する必要もないわけだから,クローズドな学問が悪いとまでは言いませんけど……。

一方,今のところ P2P で流通しているデータは,もっぱら海賊版なわけで,オープン過ぎることが祟っているところもあったりします。土壌が技術を規定するところ,技術が土壌を規定するところ,技術でも土壌は変わらないところ……技術を巡る現実世界は,見ていると面白いです。

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