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『便利なツール Emacs らくらく入門』

2004年10月07日

便利なツール Emacs らくらく入門』(藤原 誠,2004年,技術評論社)

便利なツール Emacs らくらく入門

その名の通り,Emacs の入門書です。FreeBSD に限らず,PC-UNIX は使い始めるまでが難儀するもんです。その中で,2番目か3番目に現れる躓きの石が,Emacs になるんじゃないでしょうか。そういうことを見越してか,巷には Emacs の入門書がたくさん出回っています。

そんなわけで,本書もご多分に漏れず,Emacs の入門書です。入門書はたくさん出回っているので,本書の特長を書かなくちゃいけないわけですけれど,他書と比べて特筆すべき点があるのかということになると……無難な普通の入門書としか言いようがありません。基本的な操作方法や設定方法はある程度踏まえているので,使い始めて本当に間もない方がとりあえず参照にするにはいいのかもしれません。

それでも,あえて特筆することを挙げてみるなら,「elisp の文法が比較的詳しく解説されている」ということと,「Wonderlust のリファレンスが充実している」といったところでしょうか……。elisp のリファレンスは,他書でもっと詳しく説明しているものがあるので,しいて本書を選ぶ必要はありませんけど,Wonderlust の解説書は出版されていなかったような気がするので,重宝するかもしれません。

いずれにせよ,猫使いなあたしとしては,「3へぇ」くらいしかあげられないんですが……。

考えてみると,Emacs の入門書を書くというのは,かなりしんどい作業のように思います。周知の通り,一言で Emacs といっても,一般的なエディタとして機能するのはもちろん,アプリケーションの開発環境になったり,MUA になったり,はたまた 2ch ブラウザやウェブブラウザになったりと,実体をつかむのが難しいからです。書籍の読者が,どんな使い方をしようとしているのか把握しづらい分,書く方は一苦労です。

本書の場合,日本語入力環境には FreeWnn と tamago,MUA に Wonderlust,一般的な文書作成のために outline-mode や AUCTeX が紹介されています。一応,開発環境を構築するために,pcl-cvs や C-mode ,ウェブ閲覧環境として w3m の操作・設定も紹介されています。

一方,あたしの場合は,日本語環境に SKK,MUA に Mew です。outline-mode は使わないで howm を使っているし,TeX な文章を作るには(普段あまり作らないけれど)YaTeX を使ってたりします。ここまでくると,全く別環境ですね……。

Emacs 周りの書籍って,全体の入門書を書くよりは,「Emacs で始めるインターネット」とか「快適!Emacs プログラミング環境完全構築」みたいに,テーマ別に輪切りにした方が差別化が図られるのかもしれません。もちろん,こうなると,もはや入門書とは言えなくなるわけですけどね。

ともあれ,本書のような書籍が Emacs 裾野を広げているのは間違いありません。大部分は Meadow にも適用できる内容だったりするので,Windows な人も覗いてみて損はないと思います。

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