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ひねもす・ものみな

2004年11月29日

与謝蕪村の句に,

はるのうみ ひねもすのたり のたりかな

……っての,ありますね……。あれが,「ひねもす」なる動物が春の海をのたりのたり浮かんでいる様子を詠んだと思っている(た)方って,少なくないんじゃないでしょうか。あたしもそうで,想像していたのは,下のような動物でした。とにかく,「のたり,のたり」なのです。

ひねもす想像図

おそらく似たようなことを考えている人もいるだろうと思って,Google で画像検索してみたところ,案の定,数点「ひねもす想像図」が見つかりました。また,想像上の動物まではいかないものの,ペットの名前にしている方もいらっしゃるようです。やっぱり,「ひねもす」には,動物的な響きがあるようです。

「ひねもす」(=終日)の意味は,「春の海……」の句と一緒に学校で教えてもらったから,誤解していた時期は短いものでした。ただ,歌ってみると難なく歌えるのに,意味が分かっていない詩歌って,案外多い感じがします。

あたしの場合は,チェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」という曲にもありました。

ちっちゃな頃から悪ガキで 15で不良と呼ばれたよ
ナイフみたいに尖っては 触るものみな 傷つけた

ある時,突然この歌が周りで流行りだして,あたしも友人と一緒に歌っていた覚えがあります。当時はチェッカーズの歌だということも知らないで,寺の小坊主が念仏を覚えるごとく,伝え聞きで歌詞を覚えたのでした。問題は,この中にある,

触るものみな

の,「ものみな」です。よく思い出すと,これも動物の種類だと思っていました。今でも,歌うとあたしの「ものみな」が出てくるくらいです。流行っていた当時は思ったものです。

いくら不良だからって,あの可愛らしい「ものみな」を傷つけるようなやつは,誰も「わかって」やらないだろうなぁ……

しかも,当時は,「触る」を「騒ぐ」と間違えて伝え聞いていました。そんなわけで,あたしの誤解はさらに拍車がかかって「いくら騒ぐからって……」と,意味不明の妄想が広がっていたのでした。

考えてみると,昔の歌謡曲って(今もかな),文語体の言葉や堅苦しい言い回しを普通に使っていたような気がします。口語体の文章の中に,突然難しい言い回しが出てくると,誤解してしまうのも無理はありません。こういうのって,文部省唱歌の影響なんでしょうかね……。文部省唱歌というと,「箱根八里」の

万丈の山

も,「バンジョー(←楽器)の山」だと思ってました。箱根の寄木細工は有名だけど,箱根製のバンジョーは見たことないないなぁ……と。ええ,中学生くらいまで……。

まぁ,歌なんて楽しく歌えれば,問題ないと思うんですけどね(教養は無いことになりそうだけど)。「もろびとこぞりて」(=諸人挙りて)を「エロイムエッサイム」とか「テクマクマヤコン」の類だと思うのは,ちょっと罰当たりかもしれませんけど……(←いきなり呪文から始まる歌もすごいなぁ,と思っていた)。

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