Entry

便利な PDF ?

2005年03月12日

また一歩、紙に近づいたPDF」(神尾寿,ITmedia

上の記事を読んでいて,本当かなぁ……と思ってしまいました。記事では,PDF の弱点として,「一覧性」「可搬性」「接続性」という点を指摘しつつ,ケータイで PDF が閲覧できるようになったことが,「可搬性」と「接続性」の欠点を克服しつつあるとしています。

たしかに,ケータイはみんなが持っているモノだし(PDF を閲覧できるケータイがどれくらい普及するかは分からないけど),パソコンを起動するのに比べたら,場所も機会も選ばない利点はあると思います。「紙メディアに近づいた」と言えなくもないのかもしれません(←曖昧な言い回し)。

けれど,考えてみると,これはあくまでも「パソコンのメディアが紙の方向に近づいた」だけの話であって,紙メディアからみて PDF が近づいてきたと認識できるほどのことじゃないように思います。ちょうど,熱海から見て,東海道線の下りが新橋に到着したくらいといった感じ……。

あたしが思うに,紙メディアと PDF の決定的な違いであり,かつ紙メディアが優位な点は,「記述性」(←半分造語)にあるんじゃないかと思っています。つまり,「大抵の道具を使えば,好きな方法で,好きな内容のメディアを作れる」という意味です。「読む」ことに関する限り,PDF はある程度の地位を占めてきたけれど,「書く」ことの自由度を考えると,PDF は紙メディアの足下にも及びません。

PDF を「書く」場合,(パソコンで作らなくちゃいけないというハンデを捨象しても)他のフォーマット文書を作るより難儀することは,よく取りざたされていることですよね。その原因の1つに,PDF を作るプログラムが非常に限られているということがあったりします。巷では,エディタ片手に PDF を手打ちできる人もいるみたいですけれど,普通はそんなことできませんよね。何かのツールを使わなくちゃいけないはずです。本元のツールは Adobe の Acrobat ということになるんでしょうか。

あたしの場合,普段 FreeBSD を使っているので,Adobe 純正の PDF 作成ツールなるものは使えません。TeX から dvipdfm を通したり,最近は OpenOffice.org から作ることになります。結局,面倒だからやりませんけど(大抵のファイルは,TeX や DVI ファイルのまま使う方が早い)。Windows でも,まともな PDF を作ろうと思うと,商品を購入する必要があるわけで,なかなか手軽にとはいかないんじゃないでしょうか……。

メディアというのは,「情報の媒体」という意味ですから,読めるばかりじゃ紙と比べられないように思います。その点,PDF の場合,「書きやすさ」といった点で,紙とは程遠いというのが今のところの実感です。

ちなみに,Windows の世界では,無償の PDF 作成ソフトが,メーカーから配布されているようですね(参照:「Xelo.jp」)。そろそろ,手軽に PDF を作れる環境も整いつつあるということでしょうか。

Trackback
Trackback URL:
Ads
About
Search This Site
Ads
Categories
Recent Entries
Log Archive
Syndicate This Site
Info.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Movable Type 3.36
Valid XHTML 1.1!
Valid CSS!
ブログタイムズ

© 2003-2012 AIAN