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砦のないブログ人達

2005年04月12日

EFF、ブログでクビにならないためのガイドラインを発表」(CNET Japan

元ネタは以下の記事みたいです。

少し前に,Google の社員が社内のアレコレを Blog に書いたためにクビになった,なんて話があったけれども(参照:「元Google社員が語る、「Blogで解雇」で学んだ教訓」(ITmedia)),記事はそれの続きモノです。Blog で採用・転職の機会を得る人もいれば,不採用・解雇の辛酸をなめる人もいるわけで,まさに「ナントカと Blog は使いよう」といった感じでしょうか……。

もっとも,サイトに書いたことが原因になって私生活に影響が出たといった話は,Blog が流行る以前からよくある話の1つだったりしたのでした。この手の話が改めて取り沙汰されるようになったのは,恐らく,geocities よりもお手軽な Blog サービスが普及して,純粋にユーザの数が増えたからなんでしょうね。

これは,日記モノの Blog を書いている方に特に言えることなんでしょうけど,Blog を運営する難しさは,ネタ探しとか Web の知識とかいったアレコレよりも,むしろ現実世界の自分にまつわる情報をどう上手にコントロールするか,といったところにあるような気もします。

記事によると,必要のない限り現実世界と Blog の世界は分けておくのが無難なんだとか。つまり,

本当の名前を使わないこと、そして会社の所在地や従業員数、上司の飼い猫の毛色など、身元の解明につながるような情報は明かさない

なんだそうで……。Blog で飯を食う人でもない限り(あるいは Blog で売名しようと思っている向きでもない限り),当たり前っちゃ当たり前の話ですね。記事の事例を見るにしても,そこらのイザコザを見るにしても,一般の Blog 管理人が,現実世界の人間と Blog の書き手を同定できるように書くことは,後々を考えると不利な要素の方が多いような気がします。

他方で,現実世界の人間と Blog の人間を切り離すことに対しては,「誠実じゃない」とか「文責が曖昧だ」とかいった批判もよく耳にします。近頃,巷では Blog を初めとしたインターネット上の情報がメディアとして成立するのか,といった話があるけれど,消極的な向きから指摘されるところだったりしますね。

こういう指摘はごもっともなんですけれど,既存のメディアで(ほぼ)確立している特権を得ていない身分からすると,できないことをしろと言っているようにも聞こえます。多くの Blog 管理人は,守ってくれる砦がありませんから。このことは,書き手自身も見過ごしがちなところなんでしょうけれど,Blog を初めとした発言ってのは,意図しているといないとに関わらず,現実にドンパチやっている最前線にある感じがします(注:発言の効果が直接発言者に現れるという意味で,話の内容が先端的という意味ではない)。

ところで,記事の話を考えるときに,『砦なき者』(原作・脚本:野沢尚)というドラマの構図を,ちょっと思い出しました。内容を話せないのが歯がゆいんですけれど(買って見るべし),この作品と対比してみると,Blog の管理人というのは,情報の発信者でありつつも砦がないという,微妙な立場にあるんじゃないかと思えてしまいます。Blog の管理人が「中の人」と Blog の管理人とを分離して proxy を立てるのは,それがせめてもの砦だというわけ。砦というよりは掘っ建て小屋の類なんでしょうけどね。

まぁ,だからといって必要以上に萎縮して,言いたいことを言えないというのも馬鹿馬鹿しいわけで,前線の小兵は前線の小兵らしく,元気に振る舞っていればいいんじゃないかとも思うわけですが。

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