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「詩歌的ブログ」と「論説的ブログ」みたいな言葉がまた生まれるのかな

2006年02月07日

こちらを読ませてもらって,思ったことをつらつらと……。

「まとまったひとつの内容を示す文章が集まって段落を作る。
4〜7行をめどに改行するように気をくばろう」

これは、印刷する時代の文章の心得である。
むかしは、文章を紙に印刷していたんだね。
紙の広さは有限だから、
あんまり改行して紙面に白いところがあると、
メモ帳にできるとかって悪口言われたりしたのだよ。

ブログ文章術 米光一成|Excite エキサイト ブックス : ブログのためだけの文章術!!

「ブログ文章術」といった How To な題名だったせいか,誤解もあったようです。「ブログ文章術 米光一成|Excite エキサイト ブックス : 誤解から深まる理解があるからブログは楽しい」でフォローしておられるところによると,「改行をバシバシ打つのがイイ文章」と言っているわけではないので,あしからず。

うちの文章の場合は,意味のまとまりで段落を切った方が分かりやすいと思うからやらないけれど,場合によってはバシバシ改行を打った方が伝わるエントリもあるかもしれません。巷のテキストサイトが整然と段落整形されていたら,ちょっと萎えちゃうし……。

おそらく,段落じゃなくて読点や句点で改行を打つのは,文章的というよりは詩歌的,左脳的というよりは右脳的,論理で伝えるというよりは雰囲気で伝えるようなエントリなんかには,向いているかもしれません。一方で,テーマを立てて,自分の考えていることを論理的に説明するとなると,この文体はちょっとしんどいです。

そこら辺の話が,『日本語の作文技術 』(本田勝一,朝日新聞社,1982年)にあったので,引用しておきます。

日本語の作文技術
日本語の作文技術
posted with amazlet on 06.02.07
本多 勝一
朝日新聞社出版局 (1982/01)
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小説家の、とくに流行作家の中には、まるで一センテンスごとに片端から改行する人がある。マルをうてばすぐ改行だ。印刷された紙面をみると、こういう文章は隙間だらけになる。これもなるほど一種の文体ではあろう。ポルノ小説やハードボイルド小説などはこの方が雰囲気が出るのかもしれない。「一枚いくら」で売るときの原稿料かせぎだという噂もある。隙間だらけで枚数がはかどるから。しかし普通の論文や報告など、多少とも主張をもった文章を書く場合、こういうことはほとんど考えられない。こんなことをしていたら、本当に改行したいときはどうするのだろうかとも思う。

段落の意味が以上のようなものであることを理解すれば、どこで改行すべきかはおのずから明らかであろう。もし改行すべきかどうか自分でわからないとすれば、それはもはや論理的な文章を書いていないということである。

『日本語の作文技術』(本田勝一,朝日新聞社,p195)

「以上のようなもの」がどんなものかは,ちょっと長かったので引用から外しました。「意味のまとまりを区切るのに使うんだぜ!」といったところです。

あたしは,米光氏の「4〜7行をめどに改行するように気をくばろう」なる心得は聞いたことがなかったんですけれど,改行を使うのは,通常,論理的な意味のまとまりを作るためだったりします。おそらく,「メモ帳」云々というのも,ここで言う「原稿料かせぎ」と同様,論理的な文章じゃないことを揶揄するジョークなんでしょう(こんなこと,真面目に言うもんでもないんだろうけど)。

もっとも,こういった作法は,論文や報告といった論理性が求められる文章にまつわる話です。もともとそんなコンテンツを作る必要なんかない場合は,改行がそれ以外の意味を持っていても構わないはずだし,現に別の意味合いを込めて使っている方もいるはずです。テキストサイトについて,「段落整形すべきだ」なんて無粋なことを言う人はいないだろうし,詩歌ついて,「論理的に意味が同じだからまとめるべきだ」なんて言う人もいないはず。改行の意味合いが違うだけなんだと思います。

ともあれ,あたしゃ前々から思っているんですけれど,こうした「ブログだからこう書いた方がいい」とか「ブログだからこう振舞うべし」ってな話を見ていると,○○商法的な胡散臭さを感じてしまいます。もとはといえば,ツールを使えばお手軽に更新できるサイトが作れるよ,ってのが本旨だったわけで,「ブログだから」みたいに演繹できる類の言葉じゃないと思うんですけどね……どうなんでしょう。

あの頃はみんな好きなように表現していたのに……どうしちゃったの?ってな感じです。

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