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日本政府謹製 OS が開発されるという噂のこと

2006年05月14日

Sankei Web 政治 「ウィニー」対策 政「電子政府で直近に府が独自OS開発へ(04/28 21:40)

政府は28日、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じた情報流出が相次いでいる事態を踏まえ、コンピューターのウイルス感染、情報流出を防ぐ高度な情報管理機能を備えた次世代基本ソフト(OS)の独自開発に取り組む方針を決めた。

Sankei Web 政治 「ウィニー」対策 政府が独自OS開発へ(04/28 21:40)

ちょっと前の話ですけれど,噂話。

ほんまかいな……と,中途半端な関西弁を交えつつ,これが本当だったら,問題の所在がずれているんじゃないかと思ってしまいました。謹製 OS を作るなると,コストが問題となるのはもちろんのこと,仮にできたとしても,長年運用に耐えてきた既存の OS よりもさらにセキュアな OS を作るのは至難の業だからです。また,Winny のセキュリティ・リスクに限って言えば,ほとんど(というか全部か)は中の人の教育不足が問題なわけで,OS を作れば万事 OK という話にはならないはずです。

と,そんなわけで,いくらなんでもそんな話はないだろうと思ったので,ちょっと元ネタを見てみました。「情報セキュリティ政策会議」の「セキュア・ジャパン2006」(案)[PDF]によると,「セキュリティ強化に資する新規システム(機能)の導入検討とその実現」といった項目の具体的施策として,たしかに次のような提案があるようです。

イ)高セキュリティ機能を実現する次世代OS環境の開発(内閣官房、内閣府、総務省、及び経済産業省)

2006年度において、ITの信頼性確保のための喫緊な取組みとして、OSにおいてアプリケーションに依存しない形でセキュリティを確保し、かつ、電子政府で直近に求められる基盤機能に絞り込んだ技術基盤の開発を促進する。

「セキュア・ジャパン2006」(案) [PDF] (p8,pp30ー31)

ただ,これは「OS」を一から開発することなんでしょうか……。「OS環境の開発」という文言を,「セキュアな OS そのものを一から開発すること」と読むのか,「既存の OS を使うことを前提にして,その改良や運用方法の改善を考えるだけ」と読むのか,これだけでは判断できません。ここから読み取れるのは,アプリケーション・レベル(セキュリティ・ソフト等)じゃなくて,OS レベルでセキュリティを確保しよう,といった提言に止まっている感じがします。どうなんでしょう。

どうも,本文の「求められる基盤機能に絞り込んだ技術基盤の開発」という文言を見ていると,単に既存の OS を業務に合わせた最小限のカーネルに作り直すだけなんじゃないの?とも思ったりして……。まぁ,カーネルを作り直すだけでも「独自OS」って言うのかな……。

他方,Winny 対策については,OS 開発云々とは別の場所で取り上げられていることから,記事中「ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じた情報流出が相次いでいる事態を踏まえ」という程,OS 開発の話と Winny 対策が直接の繋がりをもっているとは読めませんでした。そこまで「踏まえ」てないだろう,と。関連があるとしても,間接的なものじゃないでしょうか。

あくまでも印象ですけれど,なんだか物語が作られた瞬間を見てしまった感じ。

【追記】

結局「OS 環境」を作るというのは「VM を作る」ということだったようで……(参照:「qune: 日本政府謹製 OS 話をもう少し」)。

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