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多読する時期を考える

2007年01月09日

こちらを読ませていただいて,多読について思ったことを少し。

ちなみに私は本を月100冊以上読むが、費用は月5万円前後。これは新書やマンガなどの安価な本が多いのと、古本を活用していることの二点が大きい。その上去年からはAmazonのアフィリエイト収入が書籍代を上回っているので、事実上金をもらって本を読んでいるという、好書家としてはこの上もない状態が続いている。

404 Blog Not Found:多読って何冊ぐらいから言うのか知らん

多読家といえば,宮崎哲弥氏が,1日に最低10冊は読むらしいですから,これくらい読んでるとほんとに本の虫といえそうです。1年で3700冊くらい読んでいる計算になるんでしょうか。

いずれにしても,月に100冊も読めるというのは,ほんとにうらやましい限りです。あたしは月にせいぜい20冊くらいしか読まないので(※漫画除く),多読とはとても言えません。読みたい本はたくさんあるんですけれど,いかんせんお金が無い,時間が無い,そして収納場所も無い……。もちろん,収納場所は本を借りればいいし,時間も捻出すれば1日に新書3冊程度を読むくらいはできるんだと思います。お金も古本屋や図書館を使えばそんなに負担にはならないはずです。というわけで,これはほとんど言い訳になってしまいますね。

ただ,読書スタイルとして,今(30歳前後)という時期を考えると,多読するのがいいもんなのか,ちょっと計りかねています。

例えば,子供の頃にする読書というのは,内容云々以前に語彙や言葉の用法を身に付けるためにあるもんなんだと思っています。せいぜい中学生くらいまででしょうか。もちろん,言葉が分からなければ本を読むことはできないので,いくつであってもこの地点を通過することに違いは無いわけですが……。あたしがどうかはさておくとして,この地点を通過しているかは,その人の文章を読めば割と分かります。

んでもって,高校生から大学生にかけては,本の内容と自分の価値観をすり合わせていく作業が中心になっていくんだと思います。つまるところ,「他人の言っていることを理解する」であるとか「他人の価値観を自分の価値観との関係で考える」とかいった作業です。当然,大学生くらいになると,自分の知らない分野に踏み込む向きも多くなるので,インプットが中心になることもあるんだと思います。

で,多読という作法はというと,個人的に,そういった地点を通過した人の作法なんじゃないかと思うんです。つまり,言葉を適切に使うことができて,かつ,他人の言っていることを理解できて,しかもその分野の常識的な概念を理解している,といった地点です。というのも,多読はそこから新しい知識を得る作業というよりも,すでに一応出来上がっている知識の見取り図を修正したり検証したりする作業が中心になると思うからです。

例えば,法学系の新書を多読する場合,その手の学術書を読んでいるのは当然だろうし,我妻や団藤,それに宮沢や芦部といった人たちがどんなことを言ったのか,ということも常識として知っているのが前提になるんだと思います(※あくまでも多読する場合の話で,法学系の新書を読むとき一般の条件ではありません)。あまり権威主義的になるのもアレなんですけど,先に挙げた人の著作を読んでいないなら,他の本を多読する前にこっちをじっくり読む方がずっと有意義だと思うからです。

他方で,こういう話は,法学系に限らず,いくらでもあるんだと思っていて,例えば社会学系なら,「ウェーバーも読まないのに」という話はあるだろうし,経済学系でも「フリードマンやケインズは読んだのか?」とかいった話はあるはずです。薄めた本を多読する前に,濃いのを一発ガツンと読まなきゃいけない時期ってのがあると思うんですね。んでもって,30歳くらいまでは,そういう作業に時間を当ててもいいんじゃないかと思っているわけです。

あたしの場合,専門外の領域でも大学1年生か2年生程度の常識は持っていたいと思っていて,本を選ぶ際もそうした本を選んできたつもりでした。けれど,30歳前後という時期を考えるとき,こうしたスタイルとは少し距離を置かなくちゃいけないんじゃないかと思っています。つまり,多読に移るべきなんじゃないか,ということ。この歳になってマルクスやウェーバーを読むってのも,いまひとつ初々しさに欠けて様にならない感じがしますしね。

先日,今年読む本として割とごつい本を挙げたんですけれど,これは以前も読んだことがあったものの,今ひとつ読んだ感覚が無かった本を挙げたのでした(というか,理解できなかった本)。集大成として読み終えることができたら,今年の成果としては上出来なんだと思います。まだまだ読まなきゃいけない本はたくさんあるんですけどね。

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