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今日読んだ本 - スーパーコンピューターを20万円で創る

2007年11月03日

読んでみました。

スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)
伊藤 智義
集英社 (2007/06)
売り上げランキング: 1163
おすすめ度の平均: 4.5
4 究極の自作パソコン
2 自己宣伝が過ぎる
5 0から創り上げる事の大切さ

本書に何を期待するのかにもよるんでしょうけど,あたしとしてはちょっと肩透かしをくらってしまいました。というのも,本書に期待していたのは,コンピュータの仕組みを20万円の範囲内で説明するよ,な話だったから。内容自体は面白かったんですけどね……。

本書はつまるところ,「コンピュータを作ったオレの(東京大学(大学院))物語」で,コンピュータはむしろ脇役になっています。Amazon の書評に「小難しいコンピュータの話題だと思っていたけれど,素人の私でも……云々」みたいな話があるけれども,「コンピュータに関する話」はほとんどしていないので,まぁそりゃそうだな,と……。もっとも,話そのものは割と面白くて,さすが元漫画原作者だと思わせるところが随所にありました。キャラの立て方を知っているというかなんというか,そのまま漫画になってもおかしくありません。

一方で,本書を読む限り,大学の世界ってのはあたしが想像する以上に狭いもんなんだなぁ……と,実感させられるところもチラホラと……。論文が Nature に掲載された,とか,成果物がゴールドベル賞をとったとか,どこどこの○○教授は学会でこういう逸話を残しているとか,はたまた,本郷と駒場の違いとか……まぁそういった,その手の人でもない限り「どうでもいいこと」(ローカルネタとも言う)が,話の腰をボキボキと折ってくれます。肝心のコンピュータはどうなったんだよ……と,もどかしくなることもしばしば。

コンピュータ周りの話ってのは,特別な実験器具や設備がなくても(勉強さえすれば)誰でも参加できる技術領域だと思っているんですけれど,そうした認識からすると,「この大学だからできた」とか「この人だからできた」とか「この職位だからできた」みたいな話は,どうしても過度にローカルな印象が残ってしまいます。もちろん,当時からしてみたら,「この面子だからできた」ってなところはあったんでしょうけどね。けど,それにしてもこうしたローカルな感じは,『スーパーコンピューターを20万円で創る』なる庶民的なタイトルとなじまないなぁ,とか思っちゃうわけです。

技術屋さんは,表に出て成果をアピールするよりも,影でひっそり(かつしっかり)縁の下を支えている方がカッコイイな,とも思った一冊。

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