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本日のネットつらつら - ウェブサービスとリスク管理

2008年03月15日

mixi の規約改定にしても Amazon Wishlist の話にしても,ウェブサービスってのは,利用する以上,個人情報が漏れるもんだと思った方がいいんだろうなあ……と,つらつら。大体もって,個人情報を当該ウェブサービスに明かしてしまった時点で,事実上,絶対的な弱者になってしまいます。事故であれ故意であれ仕様であれ,公開されたらオシマイなんですから。

もちろん,こういう話には,個人情報保護法や各契約法上の義務として,法的な規制があります。けれども,基本的に法律の発想は「起きちゃったことの落とし前をつける」ことですから,起きちゃったことが「法律上いけないこと」であることが明らかになったところで,被害が回復することはない。貸し金を踏み倒されたら,損害賠償を求めればいいし,名誉を毀損されたら謝罪広告を求めればいい。けれど,個人情報は漏れちゃったら漏れっぱなしなわけで,裁判で何らかの決着がついたとしても,漏れた個人情報の記録(記憶)を抹消することはできません。その意味で,個人情報が漏れる,ということは,(ほぼ)回復不可能な損害を被る(被らしめる)ことだと言えます。まあ,よく言われていることなんですが。

で,その一方,そういった性質の被害について,法的にどうこうして欲しい,というのは,被害の性質上ナンセンスなんじゃないかとも思います。もちろん,法律上なんらかの義務なり刑罰なりを課すことはできる。予防的に自分の個人情報をサーバから削除してくれ,と,請求する権利を「無条件に」認めることも立法論的には可能なんでしょう。けど,こういうのは,あくまでも建前論なわけで,「事実上漏れる」ことについてはまったくもって役立たずです。んでもって,繰り返しになるけれども,事実上漏れたこの被害が,回復されることはない。ということで,役立たずのモノに頼るのも,役立たずを役立たずと呼ぶのも,ナンセンス。

ウェブサービスを利用する,ということは,そういった回復不能な「事実上のリスク」と背中を合わせることなわけで,むしろ「外に出たら殺されないように気をつけましょう」とかいったリスクと近い(※あくまでも,被害の程度ではなく「性質」の話です)。殺されちゃったら,後から何を言ってもオシマイですもんね(何も言えないけど)。予防的に,小売店で武器になりそうなもんを売らないように規制しよう,とかいっても,事実上殺されちゃったらオシマイ。

法律的な話では,(経済的)利便性と個人情報保護のバランスをとることが必要(「バランス」という言葉が好き),とかいったオチがつくんでしょうけれど,はたしてそれで済む話なのか……人文的・社会学的知見も知りたいところ。

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