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論理的におかしいと思う法律論の典型

2008年04月24日

実務家(あるいは元実務家)が書く法律書に多いと思うんですけれど,読んでいていつもおかしいなぁ,と思う論法があります。大体,次のようなもの。

法○条における「□□□」の解釈について,(a)説と(b)説が唱えられている。

しかし,(b)説を採ると,実際上不都合を生じる。

したがって,(a)説を採用すべきである。

このうち,「実際上不都合を生じる」というところが,なんともほげほげ。法律書では,「○○に酷な結果となってしまう」とか「結果的妥当性を欠く」とかいった具合に表現されてます。つまり,この解釈を採用すると,実際困るから採るべきじゃない,とかいった論法なわけですけれど,これってどうなのよ,と思うんですね。

法と現実は,「適用するもの」と「適用されるもの」の関係にあるわけで,「適用されるもの」の都合で「適用するもの」の解釈が変わってしまうなら,法律なんか必要ない。なぜなら,普通,「適用されるもの」に適用することの根拠は「適用するもの」にあるもんだから。ここで,「適用するもの」の根拠が「適用されるもの」(実際上の都合)にあるとするなら,お互いがお互いを根拠付けているだけなわけで,適用する際の正当性の根拠が霧散してしまいます。論理的に逆転している,といってもいいかもしれません。

はたして,「実際上の都合」あるいは「結果的妥当性」なるもんは,法解釈上の根拠として抽象化・一般化することができるんでしょうか。なんか,説明のしかたとしてコスイ感じがするんですけど……そう思うのってあたしだけなんだろうか。実際,法律書ではよく使われている論法だから,こういう解釈が作法としてアリなのか,といったら,アリなんでしょうけど……。

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