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テキストサイト文化圏とブログサイト文化圏の埋められない断絶(その1)

2008年05月24日

断絶とかいうほど大げさなもんでもないんですけど。こちらの話を読んで,ちょいと思ったこと。

こんなふうに、
句読点等の箇所で改行を入れて、
文章を分断することを
とりあえず「バカ改行」と
呼ぶことにする
(侍魂とか僕秩とかの作法)

↑こんなふうに、句読点等の箇所で改行を入れて、文章を分断することを とりあえず「バカ改行」と呼ぶことにする(侍魂とか僕秩とかの作法)

AAぶろぐ : 【2006-02-08】改行

少し前のエントリにも書いたけれども,この頃,「人力でウェブページを作ること」に面白いことはないだろうかと,つらつら考えています(参照:qune: ウェブアプリ系ブログとドキュメント系ブログという分類をしてみる)。で,人力で作るウェブコンテンツっていったらテキストサイトだろう,ってなことで,テキストサイトの話をあちこち探索。その中で,上記引用はブログサイトとテキストサイトがきれいに分かれていることを示しているのかもなぁ,とか。

テキストサイトというのは,「僕の見た秩序。」や「侍魂」のようにテキストが主なコンテンツになっているサイトです。ブログが始まる前の,1996年頃から2002年くらいまで間に流行っていたジャンル(?)で,現在まで続いているサイトもあれば,ブログサイトに移行しているサイトもあります。テキスト主体という意味では,ブログサイトもテキストサイトも同じようなもんなんですけれど,バックグラウンドに自動生成の仕組みがあるか,といった点では決定的に異なります。もちろん,テキストサイトの運営者も,なんらかの自動化ツールを使っていることもあったんでしょうけど,基本的にツールの範疇にどとまるもので,「システム」やら「インターフェイス」やらとは,縁遠いところで編集されていたのでした。

で,引用にいわゆる「バカ改行」なんですけれど,バカかどうかはともかく,こういう表現がアリなのかナシなのか,といった話にするならば,きっと,

  • テキストサイトの作法ならアリ(というか普通のこと)
  • ブログサイトの作法ならナシ(というか好まれない)

ということになるのだろうな,と。というのも,ブログサイトのコンテンツは,意味論的に(semantically-based)解釈可能であることが求められるから。

改行というのは,意味論的に見る限り,「表現(デザイン)と構造(意味)の分離」にいわゆるところの,「表現」に属するものですから,解釈の対象になりません。いや,むしろ対象にならないどころか,セマンティックな解釈論からするとノイズでしかありません。「セマンティックな美しさ」なるものの中には,どうしても,機械によって解析可能であること,といった要件が付きまとうわけで,これはすなわち,「人間が機械に合わせてやることに対する美しさ」であり,「機械に対して忠実であることの美しさ」も示している。

ここで,注記しておくと,ここでは「人間 vs 機械」とかいった,ありがちな二項対立の話をしているわけではありません。「人間自身が機械的=システマティカルに振る舞うこと」あるいは「人間自身が機械的な表現物を産出すること」に「美しさ」を見出す,その価値観なり時代観の話をしています。人間自身が機械的であることに「美」を見出し,反面,無意味で不便な「改行」に嘔吐をもよおすのは,どうしたいきさつからなのか。

もちろん,ブログシステムは便利だから使っているだけ,ってな向きも多いんだと思います。けど,その一方で 「サイト間の連携」やら「マッシュアップ」やらを標榜しつつ,各種インターフェイスを統合しようと考えたり,ブログの体裁を統一化しようと考える向きもいる(タイトルやエントリに使う class 属性を統一するとか)わけで,それは,究極的には,セマンティック・ウェブに至る道であり,「システマティカルな美」を標榜するものでもあるはずです。

んでもって,おそらく,そうした振る舞いに働いている価値観ってのは,単純に「作りやすいから」とかいった利便性の価値観だけでなく,特殊な「公共的な価値観」も働いているんじゃないかと思っています。「こう書かないと『みんな』が困るから」とかいった,公共に対する認識を前提とした振る舞いです。

やっぱり,テキストサイト文化圏とブログサイトをはじめとした文化圏には,一定の決定的な断絶がありそうな感じ。ちとここでは考え切れなかったので,次回は「公共に対する認識」を中心としたウェブコンテンツについてちと考えてみます。[続]

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