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本日の寝言は寝て言え - フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!

2008年06月01日

暇つぶしに読んでた本。もう,何を言ってるんだか。

フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!―ウェブからリアルへの逆流が始まった
小川 浩
ビジネス社
売り上げランキング: 311732
おすすめ度の平均: 2.5
4 一般向けビジネス書かな?
2 タイトル、サブタイトルは良いのですが・・・
4 無視できない内容です
1 余りお勧め出来ません
1 何をいまさら

ブログシステムを通じて RSS やら Atom やらが普及したわけですけれど,これでもってお金儲けをしよう,という本です。けど,まずもって以下の一節で,この人ほんとに RSS/Atom フィードを理解しているんだろうか,と,疑問に思う。

ウェブはHTMLベースの情報伝達フォーマットであり、フィードはRSS、すなわちXMLベースの情報伝達フォーマットなのだ。

『フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!―ウェブからリアルへの逆流が始まった』(小川浩,ビジネス社,2007年,p31)

HTML に SGML ベースのものと XML ベースのものがあるのと同様に,RSS にも XML じゃないもの(RSS 0.91)がある 。んでもって,XML じゃなきゃフィードシンジケーションが不可能かというと,そういうもんでもありません。もちろん,現実的には,ブログシステムが普及して RSS 0.91 が使われることは少なくなっているけれども,それだったらブログシステムを通じて普及した XHTML も同じことなわけで,結局何を言いたいのかよく分からん。著者は feedpath の COO らしいので,ここら辺についての理解はあるとは思うんですけれど,フィードシンジケーションに関する限り,RSS は RSS,HTML は HTML なわけで,XML ベース云々はあまり関係がありません。

一方,フィードがそれ自体としてコンテンツになる可能性がある,という話は,あたしも考えたことがあるんですけど(参照:qune: RSS feed の HTML 埋め込み雑感),それは,Google や Yahoo! のような中央集権的な構造を中抜きする仕組みとして,考えていたのでした。その点については本書と同じ。

しかしこの話,本書では,中抜きの仕組みがそのまま Google への対抗手段として位置づけられてしまっている。フィードリーダーをはじめとした「フィードをまとめるもの」を通じてお金儲けをしようってな話になってしまうと,結局,中央集権的な構造に逆戻りしてしまうわけで,方向性としては真逆です。

ところで,当たり前ですけど,お金の儲けってのは,付加価値に対して発生するもんだったりします。何もないところからお金が出てくる,なんて話は非常にいかがわしい。

この点について,無料のウェブサービスは,広告収入が主たるものになります。つまり,ここでの付加価値は,そのサービスが他のサービスと差別化されていて,かつ,そのサービスを利用する人が多いこと(利用者/閲覧者が多いサイトを持っていること)になる,と。

じゃあ,フィードリーダーの場合,Google 並の付加価値が付くのでしょうか。あたしゃ怪しいと思っています。

というのも,フィードリーダーのようなもんは,仕組みからして非常に簡単に作れるもんだから。Ajax や PHP の入門書ですら簡単なものを紹介しているわけで,とりたてて難しい知識は必要ありません。もちろん,ここで言う「難しい知識」というのは,Google が保有している特許レベルの技術水準を指します。つまり,単に「フィードをまとめるもの」というサービスそのものは,他の競業者と差別化できるだけの技術的基盤を持っていない,ということ。そうした差別化できない技術基盤を Google の検索システムに対抗させる,という発想自体,Google をナメてるとしか思えません。現在,フィードリーダーは使い勝手(データの見せ方)の点で競い合っているわけですけれど,これが他社と差別化するための決定的な要素にならないのは明らかです(すぐに真似される)。

というわけで,本気になって,ネット上の配信者と受信者の間に立ち入ったフィード関連サービスを立ち上げるなら,他ができないほどの技術基盤を前提としたサービスを立ち上げるしかありません。ここで,フィードそのものは,誰でも(PHP の入門者でも)受信しやすいようにできているわけですから,アイデアを出すのが難儀なのはもちろん,そのアイデアを実現するための技術水準も並大抵ではないはずです。フィードリーダを Google 並のサービスにする,ということは,つまるところそういうこと。

ためしに Google に匹敵するようなフィードサービスを考えてみたんですけれど,ロクなもんが思いつきませんでした。フィードシンジケーションの仕組みはこれからも普及していくでしょうし,それを扱うウェブサービスなりアプリケーションなりも廃れることは当分ないんだと思います。けど,それが Microsoft や Google 並の規模になるってのは考えにくい。

まぁ,一人勝ちを許さないってのが,規格を標準化することの趣旨のひとつなんでしょうから,標準化された規格に乗っかってる時点で,むしろ Google よりも難しいことをしなくちゃいけないんだとは思います。

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