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「機械に魂を吹き込む少女」というイメージの系譜

2008年06月22日

この頃「サンデーGX」のコミックばっか読んでいて,今日も『神様ドォルズ』を読んでました。あたしゃマンガについてはコミック派で,マンガ雑誌はほとんど読まなかったりします。んなもんで,少し前に雑誌で話題になった作品も,単行本化された後になって知ることが多かったりして。本書もその類なのかしらん。

神様ドォルズ 1 (1) (サンデーGXコミックス)
やまむら はじめ
小学館
おすすめ度の平均: 4.0
4 帯で逆に損してるような・・・
4 やまむらはじめブレイク祈願

本作を乱暴に要約すると,人形使い(隻)が都会を暴れまわる話です。ヒロインの少女が人形(案山子)を操りつつ,敵の人形使いがいたり,謎の人形使いがいたり,それを追いかける刑事がいたり,超常現象研究の少女がいたり……といった感じ。2巻まで読んだところでは,ややベタな印象があります。

ここで,「ベタ」というのは,「ありがち」ということなわけで,つまるところ,似たような他の作品を知っている,ということだったりします。この歳になると,どうしても他の似たような作品と比べちゃうところがあるもんで,我ながらいかんなぁ……とは思うんですけどね。

で,ベタだと思うのは,少女が大きな人形なり機械なりを操る,という点です。あたしの中では,「パトレイバー」が典型なんですけど,ここら辺の系譜ってどこら辺まで遡れるんでしょ。ひとつには,鉄人28号あたり(正太郎は少年だけど)が考えられるけれども,「鉄人」とこのテーマの異なる点として,少女が機械に魂を吹き込んでいるかのように描かれるところがある気がします。「鉄人」は,もっと道具として扱っている印象がある(あまり知らないんですけど)。

『神様ドォルズ』はというと,少女が案山子を操るわけですけれど,どちらかというと,「鉄人」的な「操縦」に近い気がします。魂を吹き込むというよりは,普通に道具として扱っている感じ。これはある意味で新しいんじゃないだろうか。

おそらく,機械に魂なり人格なりを認める少女ってのは,80年代の作品に多かったんじゃないかと思います。「パトレイバー」から少しだけ遡った『DOMINION』(士郎正宗,白泉社,1986年)も,小型戦車の「ボナパルト」に愛着する少女がいました。うちにはなぜか『DOMINION』の初版本があるんですけど,もはや Amazon にはないようなので,アニメ化された DVD を紹介。

特捜戦車隊ドミニオン Vol.1
バンダイビジュアル (2002-08-25)
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おすすめ度の平均: 3.5
1 正直今ひとつ
5 バンダイ
4 軽い感じがいい。

ボナパルトは『攻殻機動隊』(1991年)のタチコマみたいなもんなんですけど,(原作の)タチコマはボナパルトほど愛されていません。これは90年代に入ってしまったからでしょうかね。ヒロインが既に機械だから,そこら辺が問題になっていない,という見方もありそうですけど。

そういえば,80年代は,やたらと少女と機械が組み合わせられていた気がします。パソコンのパンフにも,パワードスーツを着た少女(実写のアイドル)が写っていたりしました。そうしてみると,「機械に魂を吹き込む少女」というイメージは,この時代特有の流行りだった,と見る方が適切な感じもします。

一方,もう少し遡って,『風の谷のナウシカ』(1982年)あたりまで来ると,機械じゃないものの,少女は虫のひとと魂を通わせます。ちょっとアナロジーが適切じゃない感じもするんですけど,そこには「アニミズム的な巫女」のようなキャラクターが浮かび上がります。そう,きっと,機械に魂を吹き込む,あるいは,機械に魂を認める,といったキャラクターは,アニミズム的な意味合いが強いんじゃないだろうか。

で,『神様ドォルズ』のヒロインに戻ると,アニミズム的な要素があまり感じられません。ここら辺は,なにげに萌えポイントだと思うんですけど,あえて外しているところが良い意味でも悪い意味でも「新しい」。もちっと様子を見つつ,次巻を期待することにします。

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