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自民党総裁選の税金談義がまったく理解できなくて困ってる

2008年09月15日

税金については,消費税の税率が注目されていて,総裁選の候補者は,おおむね「税率上げて将来の年金や介護に責任を持つんだよー」とか言っているみたいです。けど,もともと消費税は社会保障の財源にしようってな経緯で導入されたわけで,それを法人税減税みたいな博打の財源にしちゃったのはどこの内閣だよ,とか思ったりするわけです。将来への責任よりも,過去の落とし前(政治責任)を明確にしてほしい。特に,いわゆる上げ潮派

そもそも,社会保障目的の増税って言われても,その是非以前に,具体的な政策論が出てこない。特に,いわゆる上げ潮派といわれる面々は,基本的に赤字補填目的の増税には慎重なものの,社会保障の財源にするための消費税増税は否定しません。ここで,社会保障目的ならいいじゃないか,とか思うかもしれませんけど,この面々の場合,結論において真逆のことを言いそうで怖いんです。つまり,

持続可能な年金・介護行政のために,企業を潤わす必要があるので法人税を下げます。年金受給者や被介護者も含め,家計は(もっと)耐えてください。

とかとか。いや,ジョークでなく。結局,実質上,また法人税減税の財源になりかねない,ということ。だからこそ,総裁選では,これまでの経済政策について,候補者は何かしらの評価を与えるべきだと思うわけですけれど,それがない。こゆのがないまま,年金や介護のような庶民的に弱いところを突くのは,ほとんど脅しに聞こえます。実際,(現)政府内部の話ではないけれど,現在の衆議院を作る際に参画した竹中氏は,消費税を増税して法人税を下げる,という考え方を明確に打ち出している。

税制については今年の秋に党税調で行うということを暗黙の政治日程にしているようだ。しかし、こうした棲(す)み分けを超えて諮問会議などで大胆にあるべき論を議論する必要がある。これに対しては、企業批判と生活者擁護の社会的風潮の中で、法人税減税に大きな批判が生じることも考えられる。しかし、このようなポピュリストの批判を乗り越えなければ成長戦略は絵空事に終わるし、攻めの改革には結び付かない。本来消費税引き上げは、拙速な財政赤字削減のためではなく、法人税減税などのために議論されるべきである。

【竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ】成長戦略いまだなし - MSN産経ニュース

竹中氏が,「ポピュリストの批判」なるもんを持ち出したのには,ちょっとウケた(オマエモナー)。ともあれ,D_Amon さんも言うとおり,こうしたおこぼれ理論の胡散臭さはどうしようもない。

ほんとうに経済成長で「底」は上がるのか?〈貧困〉は解消できるのか?大企業が成長して好成績をあげれば、コップの水が溢れてしたたり落ち、地面(底)も潤う。この理論は昔からあって、英語では「トリックルダウン・セオリー」という。わかりにくいので、私は「おこぼれ理論」と呼んでいる。金持ちがますます金持ちになれば、貧乏人もそのおこぼれにあずかれますから、所得の均衡や再分配などといったバカなことは言わずに、貧乏人は金持ちがガンガン稼ぐのを応援していればいいんですよ、という理屈だ。会社が成長すれば、社員も楽になる。だから社員は会社に忠誠尽くして、四の五の言わずに働きましょう…と翻訳すれば、日本人にもなじみの深い理論だとわかる。

ふざけた理論だと思うが、今流行の新自由主義的経済理論では、それが「正しい」とされている。日本の代表格は、元閣僚の竹中平蔵氏だ。彼はずっと「規制緩和のおかげで『格差』はこの程度で済んだんで、やってなかったら、もっともっとひどいことになってましたよ」という言い方で、依然として「おこぼれ理論」を唱えつづけている。

おこぼれ理論のどうしようもない胡散臭さ - 模型とキャラ弁の日記

総裁選の面々が言っていることには,これまでやってきたことへの評価もなけりゃ,当然それを踏まえた(具体的な)政策論議もないわけで,まったくもって意味不明だったりします。個人的に,新自由主義が唱えるような政策は,結果として,既得の社会階層をより鮮明にしただけだった気も。人的にも経済的にも流動性の低い日本において,規制が緩和されたとしても,持てる人がより持つようになるだけだ,と。チャンスどころか,おこぼれすら来ない。

あまりにも意味不明だから,他の国でやってることとして見るつもり。

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