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ネットイラストの系譜とかネットトキワ荘とか

2008年11月04日

こちらの増田さんの話から。発表の場としての個人サイトは,ネットサービスに回収されるだろう,といった話です。

イラストならばpixiv。音楽ならmyspace。写真ならflickr動画ならyoutube。文章にだってテキスポがあるし、ゲームはちょっと思いつかないけどこれからできるか、或いは海外にあるでしょう。

これはどんな状態か?

そう、「トキワ荘」である。今や表現者はみんなデジタルなトキワ荘に住んでいるんだ。

「発表の場」としての個人サイトは絶滅する。

個人的に,画像投稿コミュニティの流れは,個人サイトに自分のイラストを公開していた人から生まれたモノというよりは,画像投稿系 BBS から生まれたもんじゃないかと思っていたりします。というのも,pixiv 本家には,割と気合の入ったイラストが投稿されているものの,pixiv 系の投稿サイトである drawr あたりは,その場で描いた類の作品が多いから。この感じは,個人サイトの「ギャラリー」というよりは,イラストでもっておしゃべりする画像投稿系の BBS に近い。つまるところ,コミュニケーションの手段としてのイラスト,といった感じ。んでもって,画像投稿系 BBS と個人サイトは,これまでも並存していました。駆逐されるのは,画像投稿系 BBS なのかも。

ま,あくまでもあたしが見ている範囲での印象なので,実際のところは詳しく知らないんですけどね。ここら辺の系譜について,誰かまとめてくれてたりしないのだろうか。

一方,個人発表の場としての個人サイトが衰退して,ネットサービスがそれらを回収するか,といった話についてなんですけれど,これは微妙なんじゃないかと思います。参入障壁が低くなった分だけ,相対的に個人運営のギャラリーサイトの割合は低くなるんだとは思う。ただ,個人サイトがまったくなくなってしまうということはないはず。両者は並存するんじゃないかと思います。というのも,他人に用意してもらった場に自分の作品を投稿するのと,作品だけでなく演出や構成まで自分でプロデュースできる場を作ることは,異なる作業だと思うからです。

しかも,自分で自分をプロデュースするってのには,参入障壁の高さに見合うだけの効果がある。これは言葉で説明しづらいんだけれども,個人サイトには,発表する作品にまつわる文脈を自分で作ることができる利点があるんですね。pixiv のようなサイトでは,もっぱらコミュニカティブ(コミュニケーション向け)な文脈で作品が消費されがちだけれども,個人サイトでは,閲覧者が消費する際の視線(視点)を,自分の演出で,ある程度コントロールできる。これは(プロデュースできる人にとってみたら)かなりのアドバンテージになります。で,こんなこと改めて言わなくても,自分でプロデュースできる人は既にやっている。

上記の引用では,pixiv をはじめとしたネットサービスを「トキワ荘」として位置づけているんですけれど,これは色々な意味で正しいと思います。とりわけ,「トキワ荘」ブランドが,結果論的なブランドであるところ(結果として巨匠を多数輩出したからブランドとして成立した)については,よく当てはまる。pixiv の場合,実績はまだない。pixiv は未来のクリエイターを生み出すことができるだろうか。生み出さなかったら,ただのクネクネの場だった,ということになるわけですけど,ネットの場ではそれもまたよし。

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