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昨日読んだ本 - 『ソフトウェアテスト入門』

2008年11月16日

この頃,あまり読むものがないもんで,本屋で目に留まったもんをごにょごにょ読む。

本書は,「ソフトウェアテストプレス」のビギナーズセクションに掲載されていた記事を集めたものです。もっとも,ビギナーズセクションに掲載されていたとはいえ,ここら辺の話をちゃんと踏まえてテストしているケースってのは,少ないんじゃないだろうか。ベテランを自称していても,テストは自己流ってことはあるかもしれません。一般的なテスト手法をお手軽に知りたい人には,おすすめの本です。

ソフトウェアエンジニアリングプロセスが確立しているようなところ(プロジェクト/会社)では,テスト工程の成果物やテスト計画の策定なんかに一定の枠組みがあるもんなんですけど,一般にテスト工程なるもんは軽視されがちだったりします。そこそこ重視しているところでも,その方法は各エンジニア任せ,とかいうこともあります。しかし,テスト手法が体系化されていないと,テスターの能力によって品質に差が出てしまう。

一方,近頃は「テスト駆動開発(TDD)」なんて開発手法が注目されていて,xUnit(JUnit/JUnit/CUnit)のようなユニットテストツールもよく使われているようです 。しかし,xUnit の類を使うにしても,有効なテストスイートを作るためには,テスト手法の理論的な枠組を踏まえている必要があります。

本書は,同値分割や境界値分析,直交表やデシジョンテーブルといった,基本的な(単体)テスト手法を説明した後,テスト計画の具体的な立て方からドキュメントの作り方まで,テスト工程の一連を紹介しています。テスト工程の全体像を知るには便利だと思います。反面,本書を読めば,テスト工程を網羅したことになるかというと,ま,そんなことはないんですね。当たり前ですが。

本書に不足しているのは,テスト(特に単体テスト)の実践的な側面です。テストケースやドキュメントの作り方については,ある程度実践的な内容が紹介されています。しかし,テスト工程の中でも特にボリュームの大きい単体テストについて,具体的なテストの手順が説明されていません。xUnit を使いましょう,では,あまり役に立たないと思うんですね。通常,単体テストというのは,作った人(プログラマ)が自分でするテストだったりします。つまり,プログラミング(製造)を表街道とすれば,テストはいわば裏街道をたどる(たしかめ算をする)作業なわけで,そこには,プログラミングと同じくらいの実践的・身体知的な要素があると思うんですね。こゆのは,実際にテスト作業に入ってみないと経験できないところでもあるんですけれど,少しくらい紹介してくれてもよかったんじゃないかと思います。

実際,製造の現場なんかでは,ありとあらゆるテスト手法なりデバッグ手法があるわけで,実装段階ですら,後々テストしやすくなるように見込んで実装することもあったりします。こゆのはホントにノウハウなので,書籍で伝えるのは難しいんだとは思う。

ともあれ,テストの入門本として,本書はよくできていると思います。雑誌記事を集めたものの割に,各章がブツ切れになっている印象もありません。情報処理技術者の試験対策にも向いていると思います。

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