Entry

今日買った本 - 『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』

2008年11月25日

高い本だからこれまで図書館で借りていたんですけれど,やっとこさ買いました。オブジェクト指向本のバイブル。言わずと知れた GoF 本です。丸や四角で説明する本の中で,もっとも意味のある丸や四角が書かれているものの一つです。大抵のオブジェクト指向本の丸や四角は,ややこしい話をさらにややこしくするために使われている,という意味で。

オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン
エリック ガンマ ラルフ ジョンソン リチャード ヘルム ジョン ブリシディース
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 75976
おすすめ度の平均: 4.5
5 設計をする人は一度見る価値あります
5 オブジェクト指向言語を用いた開発者に必携の本
5 原書は未だにトップランク
5 理解しておくとよい本
4 デザインパターンの定番本

GoF のデザパタってのは,ちゃんと設計/実装している人は,大抵に身に付けている設計技法なり実装技法だったりします。Factory パターンや Observer パターン,それに Command パターンなんかは,それと意識していなくても,なんらかのアプリケーションをオブジェクト指向で作ったら,必ず使うことになります(フレームワークを使う場合は,あらかじめ組み込まれているから分からんけど)。

みんなが使ってるなら,こんな本を書く必要もないし,高いお金を出して買う必要もありませんよね。それでも,GoF 本のような本を参照する必要があるのはどうしてか。もちろん,設計カタログ/実装カタログとして洗練されているってことはあります。けど,それ以上に本書をちゃんと読まなくちゃいけないのは,GoF の言葉が,開発現場の一般的な用語として通用しているからです。

これまでも,一般的なアルゴリズムについては,「ここは二分探索の方がいいよね」とかいった話が普通に出ていました。それと同じように OOP の場面では,「内部のデータが変わったら Observer でビューと DB に反映しといてね」とかいった話が普通に出てくる。「おぶざーばーって何ですか?」じゃ,お話にならない。つい10年前,本書が出た頃は,画期的な書籍として受け入れられたわけですけれど,今ではほとんど常識。

本書の話で言うと,デザパタを適用できる場面を具体的に想定しつつ,実装することをちゃんと考えて書かれているところが評価できます。実のところ,デザパタ周りの本は,「早分かり」的なものが多くて,著者がちゃんと理解しているのか怪しい本が少なくありません。また,(基本)設計や上流工程しか担当してなくて,実際にデザパタを適用して実装したことがなさそうな人まで,GoF のパクリ本を書いている。解説本があること自体は悪くないのだけれども,分かってないやつが書くな,と。こんなのは似非コンサルのお茶濁しには使えるけれども,製造の現場では役に立ちません。(詳細/プログラム)設計/実装する向きは,少し価格が高くても,原典である本書を参照する方が,経済的にも時間的にも結果的にはお得です。

GoF のデザパタは,実装から生まれたきわめて実践的/身体知的なパターンの体系です。どんな実装本であってもそうなんですけれど,特に本書を読む場合は,是非とも実際に自分で実装してみることをお勧めします。「頭で知っていること」と「実装できること」は,まったく別の次元の話だと思うからです。適用するケースも具体的に提示されているので,抽象的なまま(知っているだけのまま)になるってことも少ないと思います。

ちなみに,個人的には,本書の実装が C++/Smalltalk 書かれているというのもポイントだったりします。最近のデザパタ本は Java で書かれていることが多いんですけれど,特定の言語に特有の機能を使われちゃったりすると(特に J2EE のデザパタ本)お手上げだからです。リフレクションないんですけど……みたいな。

つことで,あたしが言うのもおこがましいけれど,お勧めの本。つか OOP の人は必読。

Trackback
Trackback URL:
Ads
About
Search This Site
Ads
Categories
Recent Entries
Log Archive
Syndicate This Site
Info.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Movable Type 3.36
Valid XHTML 1.1!
Valid CSS!
ブログタイムズ

© 2003-2012 AIAN