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今日読んだ本 - 『人類は衰退しました』

2009年04月19日

プロマネの試験会場への行き帰りで読んでたラノベ。これまで積んで寝かしてました。

人類は衰退しました (ガガガ文庫)
田中 ロミオ
小学館
売り上げランキング: 1963
おすすめ度の平均: 4.5
4 気軽に楽しめる作品
5 好き勝手にやってるロミオもまたよし
3 独特の言葉のセンス
3 ふぁんたじっくSF。本領発揮はこれから?
5 授業中に読むのはお勧めしない。

著者の田中ロミオ氏については,知ってる人は知っていて,知らない人はまったく知らない方だと思います。知らない人は知らないままの方がいいってな噂もある。一方で,知っている人の中には,いろいろな意味でお世話になっている方も多いはず。

ま,それはそれとして。

本作は言葉でもって評価すると野暮ったくなっちゃうもんで,読んでもらうのが一番だと思います。ただとりあえず,田中氏の言葉遣いはさすがだな,と。個人的な評価で一般論にできるかは分からないけれども,こゆ言葉遣いをするには,一旦しっかりと言葉と向き合った経験が必要なんだと思います。守破離でいうなら「離」の部分……と言ったら言い過ぎか。ともかくも,言葉の「使い方」をきちんと守りながら,その使い方に対する「距離の置き方」も心得ているといったところ。あたしゃこういう言葉遣い好きなんです。

悪口ではないけれど,ラノベの中にはむやみに難しい言葉を乱用していて,筆者自身がその言葉に酔ってると思えるような作品もあったりします。こゆのは読んでるこっちがちょっと恥ずかしくなる(悪口になってるな)。これに対して,田中氏の表現は難しい表現であってもスルスルと入ってきます。なんつか,昔のオタクが読んでた表現には田中氏のような表現が多くて,例えば『あ~る』なんかに出てくる表現なんかにも,ギャグの一環でわざと難しい言葉を使うテクがあった気がします。

そゆ意味で言うと,本作の表現も,やや古風といったところがあるのかもしれません。

一方で,お話の中身はというと,とてもメルヘンな妖精さんのお話です。

もっともこれも,純粋に絵本的な話なのではなくて,田中氏らしい微妙にダーク(邪悪ではなくオトナ)な部分が見え隠れしていてニヤニヤしてしまいます。

神様みたいに扱われる人間と,神様みたいなことをやってるくせに自覚のない妖精さんの入れ子構造が,絶妙な設定だと思うんですけれど,SF ファンのみなさんは,そこら辺についてどう思われるんでしょう。人類が衰退したあとに広がる箱庭的な世界。その中で発見される妖精さんが作り出す箱庭的世界。神様 == 創造主とすると,人とか生き物の営みがいろいろな意味で相対化されていて楽しめます。

ラノベ一般に言えることですけれど,あたしゃラノベのラノベらしさみたいなもんは,アニメっぽい挿絵があることや,読みやすい文体にあるのではないと思っていたりします。それは,「あたかもアニメ作品を見ているかのような描写が書き込まれているところ」にあるのだと思う。田中氏は,そこら辺についてもよく心得ているようで,まるでテレビで動画を見ているような感覚になります。キャラクター個々の動きが,ある意味で言うと「アニメ的お約束」の中にきちんと収まっているので,とても安心して読むことができる。それが良いのか悪いのかについては,いろいろあるんでしょうけど,あたしゃそれで良いと思う。

他方で,本作はなんだか微妙なところで話が途切れちゃった(終わってしまった)感じがして,なんだかごにょごにょ。3巻まで寝かせてあるから,ま,いいんですけどね。明日は2巻を読む。

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