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ケーザイガク的な契約の意味合いはよく分からんけども

2009年04月20日

少なくとも法学上の「契約」は,いろいろと中身がごちゃごちゃとしているので,あまりバッサリ言うもんじゃないと思った。

この判決は「利息制限法の上限金利を超える融資契約は任意であれば有効だが、返済期日を過ぎた場合に残額の一括返済を求めるのは事実上の強制だから無効」とするものだ。しかし一括返済の特約は融資契約の前に提示され、債務者も同意したのだから「強制」ではありえない。

消費者行政を勘違いしている人々 - 池田信夫 blog

いや,法的な意味での契約っつのは,ちゃんと意味が決まってるんですけどね。それは,ガッコウでのオベンキョウの話。事実認定,契約解釈の局面では,いろいろごちゃごちゃするわけで,こんなもんは六法をひっくり返したって答えが出てくるもんじゃない。

例えば,上記引用の「債務者も同意した」という評価は,池田氏の「事実に対する評価」であり,かつ契約法上の「同意」にも当てはめているわけだけれども,一般論にするにはもっと説得力のある法的根拠が必要なんだと思う。たしかに,一括返済特約に同意した外形はある。しかし,契約っつのは,外形が整えばいいってなもんではない。契約の成否を判断するには,適用の局面においてであれ,契約解釈の局面においてであれ,(特に一般民事事件においては)意思主義的な修正が働くことがあるわけで,そこに説得力のある法律論を展開することができるのか,つことが問題になってるわけで,「ありえない」とか言い切っちゃうのは,なんだかなあな感じ。そこが考えるところなのに。

契約の成否や契約論をちゃんと考えるなら,多分『契約の再生』くらいは読んどいた方がいいんだと思う。

契約の再生
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内田 貴
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5 民法と政治思想
4 内田民法の背景に本書あり

学生向けといえば学生向けなんでしょうけど。

ちなみに,あたしゃ消費者金融の問題(いわゆるグレーゾーン金利の問題)における例の判決は,政治の話だと思っていたりします。純粋な行政作用でも,純粋な司法作用でもない,という意味で。理屈ではままならない,という意味でも。

こゆこと言うと,司法が政治部門に関わると司法に対する信頼がほげほげ,とか言う人も出てくるんだろうけども,そゆ人が他方でかぶれてるアメリカの司法部門なんて,日本よりも政治的なメッセージをガンガン発していたりする。つことでまぁ,ままならないものだと思うですよ。いろいろと。

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