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IT 業界に就職するなら製品を持ってる中小の会社がいいよ

2009年04月27日

以前から同じようなことを書いているけれど,こちらから。

現在のIT業界で「SEとPGのどちらが頭がいいか」と問われたら、「どちらも頭は空っぽだ」と答えざるを得ません。これは技術者個人個人の責任ではありません。明らかに企業のアウトソーシング戦略の結果です。単に頭が空っぽなだけならまだしも、このような技術者が多数派になってしまったおかげで、技術に対する浅薄な侮りと無知が蔓延(まんえん)するようになってしまいました。

下流から見たIT業界: SEとPG、どっちが頭がいい?(2)

ここでは何度も言っているんですけど,業務システムなんつのは,大きなお金が動く割に,技術的に大したことはしていない。いや,結果的に大したシステムにはなるんだけれども,そゆのは,個別のベンダが背負わなくていいことになっているわけで,Sun(もうすぐ ORACLE か)とか Microsoft とかが,難しいところをやっといてくれる。SE であれ PG であれ,この種の職業が生み出す価値は,それぞれのおつむの中から出てくるわけで,業務システムみたいな単純労働・労働集約的な部門に携わっていると,「ほんとに食い扶持がなくなるぞ」と思う。そういう危惧を抱いているのは,あたしだけなんだろうか。

で,今あたしゃ新人君の教育係なんかをやってるんだけれども,なるべく,そうした労働集約的な作業はさせない方向で,進めていたりします。上からは,「Java でシステム作りをさせるならフレームワーク使わせろよ」とか,「なんで O/R マッパ使わせないの?」とか言われるけれども,そんなもんは水物だし,後からすぐに習得できる(少なくとも,うちの新人君は覚えが早いから心配ない)。反面,今は研修期間中だから多少の試行錯誤があってもいいけれど,水物しか身につけていないと,本来の業務に就いたとき,簡単に労働集約産業の歯車になってしまうのだと思う。

実は,あたしは会社の製品部門に所属していて,受託で業務システムを作る部門からは少し離れたところにいたりします。小さな会社なので,受託部門がピンチのときは応援に行ったりするんですけど,基本的には製品開発をしている(以前,受託開発をしていた)。一方,新人君は,受託部門に配属されているので,おっさんとしては彼が非常に心配で仕方がないわけです。技術に対して浅薄な侮りを覚えるなよ……と。この愛,通じているだろうか。

製品部門と受託部門で大きく異なる点は,製品部門の成果物の価値が,競合する他社製品との兼ね合いで決まるところです。みんながやってるようなことをしていたら,当然売価に影響するわけで利潤が落ちる。反面,他がやっていない(ことで需要のある)製品は,売価で強気に出ることができます。

で,これはあたしの個人的な実感だけれども,こうした製品部門にいると,かなり鍛えられる。

ソフトウェア産業っつのは,つまるところ,コンピュータやネットワークの資源を(社会的に)便利な機能に変換していく産業だと思うわけですけど,それにはまずもって,需要に見合った機能を把握する視点が必要なのはもちろん,コンピュータやそれにまつわるあれこれ(数学とか数学とか数学とか)に対する深い知識が不可欠です。受託の場合,どうしても,前者にのみ重点が置かれる傾向があるもんで,「資源から機能への変換」といった視点の全体像が見えづらくなってしまう。ややもすると,それだけで食っていけるかのような「錯覚」に陥りがち。けれども,そんなことは決してない。

製品部門では,ある程度自由に需要に対する対応(そりゅーしょん)を設定することができるし,納期のような技術外の制約も比較的ゆるかったりします。反面,それは高度な技術的背景でもって市場における優位性を確保している(または確保できる見込みがある)からでもあるわけで,自分からどんどん技術を身に付けていかないとやっていけないということでもあったりします。つまるところ,高い技術を持っていればいるほど報われるところなわけで,技術を身に付けるのには絶好の環境なのだと思う。

また,あたしがいるような小さなところでは,開発だけに専念できることは稀で,社内サーバやデータベースの管理とか,社員アカウントの管理のような,シス管みたいなこともやらされます(専属している人もいるんですが)。こゆ環境だと,自然と UN*X の使い方は覚えるし,ネットワークの管理方法も身に付く。

他の職種はどうだか分からないけれども,IT 産業に関する限り,長期的に見ると流行に乗った大手企業よりも,製品部門で鍛えられる中小企業の方が食い扶持につながるのだと思ったりします。というか,そう信じているところがある。

新人君。せっかく頑張ってもらってるし打てば響く人だから,製品部門に欲しいんだけれど,こっちにもらえないかなぁ……。あたしよりビシバシ鍛えてくれる先輩もいるし,本人にとっても悪いようにはならないと思うんだが。

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