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読書メモ - SE/プログラマは面従腹背

2009年05月24日

今,読み物として『ハッピィ・エンジニアリング』を読んでるんですけれど,あたしの現在の問題意識とかぶるところがあったのでメモメモ。

ハッピィ・エンジニアリング 新しいシステム開発の処方箋
吉田 智彦
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 571056
おすすめ度の平均: 4.0
4 いろいろな考え方があると思いますが
4 ITシステムを『受注する側』ではなく『発注する側』が読むべき本
4 プラグマティズムを貫く

プロマネ/プロジェクトリーダに対して,SE/プログラマは面従腹背という話。

企業規模で業務が分かれるということは、受発注の上下関係で全てが決まることにほかならない。結果として、「やらせる人(プロジェクトマネージャ、リーダ)」と「やらされる人(SE、プログラマ)」という構図ができあがる。

作業環境を改善しなければ仕事が進まない場合や、作業の進め方がそもそも間違っている場合などでも、受発注の上下関係を肌で感じている「やらされる人」たちは、面従腹背を常とする。なぜなら、常に結果責任のみを問われている下位者のよくある心理は、以下のように働くからである。

  1. まず技術論を戦わそうにも、まともな議論にならない
  2. 怒らせるだけ無駄だから言わない(→面従)
  3. 言われたとおりやって失敗しても、どうせ責任を押しつけられて怒られる
  4. だから俺が考えたとおりにやる(→腹背)
  5. そのほうがうまくいく(←単なる思い込み)
  6. どうせ中身のチェックをされるわけではない
  7. 動きさえすれば文句は言われない

実装レベルの技術となると「やらされる」側のほうが一枚も二枚も上手である。「やらせる」側の人間が、日々モノ作りをしている者に勝てるわけがない。だからこそ、純粋な技術論は成り立ちにくい。根本的な問題はその点にある。

『ハッピィ・エンジニアリング 新しいシステム開発の処方箋』(吉田智彦,ソフトバンククリエイティブ,2006年,p53)

引用は元請業者と二次請け・三次請けの関係を書いているので,あたしがいるところとはちと環境が違うんですけれど,大体合ってる気がします。上流に行くほどバカが増える。ここでは「実装レベルの技術」と範囲を絞っているけれども,設計(基本設計・詳細設計を問わず)にしても要件定義にしても,製造工程の場数を踏んでない人の書くもんは,トンデモなもんが本当に多い。何をどう考えた結果,コレを「動く」と見込んだのか……みたいな。ちなみに,あたしのいるトコは,いわゆる独立系ベンダで,SIer の下請けはほとんどしていません。

で,面従腹背なんですけれど,引用はまだマシな方なんだと思います。普通は,こんな感じなんだと思う。

  1. まず技術論を戦わそうにも、まともな議論にならない
  2. 怒らせるだけ無駄だから言わない(→面従)
  3. 言われたとおりやって失敗しても、どうせ責任を押しつけられて怒られる
  4. だから言われたとおりにやって失敗する(→腹従)
  5. それで失敗してもしらね(←当事者意識の欠如)
  6. 文句を言われないように仕様どおりに作った「証拠」は残しておこう

先日も少し書いたけれども,「仕様どおり作ってます」というのは,そういう話。ロクでもないですね。

この話,「ドベネックの樽」の話とよく似ていたりします。樽に水を入れるとき,樽を構成する側板の高さがどれひとつ足りなくても,樽は満杯にならないという話。プロマネという側板がひとつ欠けていると,プログラマや SE がどんなにがんばって側板を高くしても,プロマネの高さまでしか水は溜まらない(成果が上がらない)。もちろん,欠ける可能性は,プログラマにも SE にもあるわけですけれど,プロマネは,自分が仕切ってるだけに自分が欠けていることに気づきにくい,と。

会社に入った当初から製造工程を知らずにプロマネ(ただの外注管理だけど)をやってるようなのの中には,製造工程を蔑視しているバカがいるけれども,こゆのに対して SE やプログラマは至極冷たかったりします。もちろん,顔には出さないし,成果物も納期通りにちゃんと出します(面従)。けど,例えば,要求仕様上のバグがあっても,そんなもんを指摘するような無駄はしない,と。「あなたが何をしたいのかはさっぱりだけど,『俺の言うとおりにやれ』ってんならやりますよ。けど,責任はあなたで負ってくださいね」つことです。

ま,こゆのは初めからそういう関係にあるわけじゃなくて,行き着くとこまで行っちゃった場合に限られるんでしょうけど(実際にそゆのを見たから,にんともかんともなんだが)。こうやって,元請の空洞化は進むんだなー……とかつらつら。

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