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梅田さんの炎上話とか2005年の反省とか

2009年06月06日

良い具合に燃え上がってるこちらの話なんだけれども,梅田さんといい,『ウェブバカ』(今作った略語)の人といい,ネットに何を期待していたんだろう,と思う。

ただ、素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日本の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。

日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (3/3) - ITmedia News

もうかなり多くの人が気付いていると思うのだけれど,ネットなるインフラそのものは,サブカルから離れてるわけで,mixi にしてもニコ動にしても,何かに対する「反」でも「脱」でもなくなっていたりします。普通の人が普通に使うもの。ま,何が普通かってな話はいろいろあるんだろうけど。ともかく,少なくとも,日本のネットがサブカル的という点と,そのサブカルのせいで「普通ではない」高尚で高級なハイカルチャーが育たないという点は,当たっていない感じがします。単純にマーケティングの失敗だったんじゃないか,と。

もっとも,(あたしも含めて)サブカルの人のやってることが,高尚で高級な文化からみて「レベルが低い」とか「バカばっか」とか言われるようなことだってのは,その通りだと思う。ただ,それを自覚的にやるのが,まさにサブカルの正統な態度なわけで,それで何かがどうなることでもないとは思います(参照:qune: オタクのあれこれなんてキレイゴトにできないことばっかなんだと思う)。

おっちゃんになった自分からすると,サブカル批判めいたもんを食らって目くじらたてる若い人は,サブカルなるものがカッコヨサゲなものになってから入った人なのかな,とか思ったりもする。サブカルは,高級な場所(ハイカルチャー)からの批判に対してニヤニヤするかコソコソする。そゆ態度がふさわしいのだと思う。

この点で,米国のサブカルは,サブカルっぽいもののように映ってはいるものの,きっちりとした分類上の地位があるように見えるし,実際そうなのだと思う。そうした,「ハイカルチャー化したサブカルチャー」ってのは,文化の変容といった視点からするとしゃーないとは思うものの,個人がハイカルチャーの人になるような態度は,態度として一貫していない気はします。

で,最初の話に戻るのだけれども,日本のネットが2005年に普及したときの担い手は,そもそもサブカルの人だったと思うわけですね。イノベーターといわれるこゆ人たちは,2005年以前もネットにいて,草の根 BBS を運営したり,同人ソフトをオンライン上や配布会を通じて交流してました。で,彼らは2000年前後くらいから自分でブログシステムを構築したり,ウェブサービスのハシリみたいなもんを作り始めます。

その後,ネットが定額制になって,そゆのを聞きつけたアーリーアダプターが,イノベーターの一部を取り込んで,ようやくあれこれ画策=企画し始めた,と。ま,そんな感じだと思うんです。「ネットに可能性を見つけた!」とかいった具合に。

この点で,こうしたアーリーアダプターが,その野望なり理想なりを実現させるためには,イノベーター的でサブカル的なモノとある意味で決別しつつ,キャズムの向こうにいる人達に橋渡ししなくちゃいけなかった。ネットと関係のない向こう側には,高尚で高級な文化が花開いています。ここでアーリーアダプターがすべきことは,「割と先端にいつつも社会の人と話が通じる主体」として,向こうにいる人をネットに引き入れることだった,と。

しかし,彼らは(彼らから見て)失敗した。

日本のネットが,アーリーアダプターからみて「残念」なことになっているように見えるのは,自分が求める高尚で高級な理想が,サブカル的に消費されることへの違和感ということなんだと思う。しかし,これは言うまでもなく,アーリーアダプターのマーケティング的な戦略が失敗しただけの話なわけで,それ以上の話ではないんだと思ったりもする。高級といわれる文化を自分で育む(引き入れる)ことができずに,当初の担い手であったイノベーター的な嗜好に便乗する形で,サービスを展開してしまったということが(彼らから見て)失敗だったということ。はてななんて,特にそれが当てはまると思う。

以前も書いたけれども,ネットの言論空間なるもんを,束ねて統率しようとするような戦略が,そもそも無理があったんじゃないかと思う。あたしゃ何もやってないけれど,2005年の浮かれっぷりは,近い将来どこかで反省すべきポイントになるんじゃないかと思います。

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