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今日買った本 - 『確率モデルによる画像処理技術入門』

2009年07月05日

画像処理関係で煮詰まっているので,ちと確率方面からアプローチしようと思って買ってみました。確率・統計の知識はままならぬところがあるんですけど,ちと気合を入れ読む。

確率モデルによる画像処理技術入門
田中 和之
森北出版
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画像処理で確率・統計が問題になる場合として,近頃はパタン認識が主に取りざたされていますけど,線形フィルタや領域分割の場面でも,確率的な考え方を適用できるところがあったりします。

一般に,画像を解析する場合,コンピュータの内部で作った画像なら,解析は割と楽だったりします。例えば,お絵かきソフトで作った絵とか,CAD で作った図面とか。しかし,これが実世界から取り込まれた(スキャンされた)データの場合,ノイズに対して何らかの対応を取る必要が出てきます。つまり,ノイズを含む画像を解析する場合,局所的に濃度値からあれこれを判断することはできなくて,なんらかの大域的な処理が必要になってくるわけです。ノイズに対して耐性がある(ロバストである)ことは,実世界のデータを扱う上で必要不可欠な処理になる,と。

この点,通常画像処理で行われる処理では,大域的にノイズを除去する前処理を置くのが普通です。例えば,メディアンフィルタをかけるとか,画像を二値化するとかいった具合。しかし,これはかなり経験的な要素がモノを言う世界で,例えば閾値の決め方ひとつにしても,トライアンドフェイルでちまちまとやっていたりする。かなり決め打ちに近いんですね。

あたしが近頃ゴニョゴニョやってるのは,こうした前処理をもう少し賢くできないか,ということなんですけれど,もうどうにも煮詰まってしまってグッタリだったのでした。

で,本書なんですけれど,本書は確率モデルによる画像処理を提唱するもので,いわゆるパタン認識のような新しい分野ではない,従来の処理に対して確率モデルを導入することを主眼に置いています。具体的には,

  • ノイズ除去
  • 領域分割
  • 輪郭抽出

といった分野。これまで,ノイズ除去ならメディアンフィルタ,とか,輪郭抽出なら2次微分(ラプラシアン)フィルタとかいった常套手段があったわけですけれど,これらのフィルタを確率モデルから構成することを提唱しています。この手の話題は,書かれていたとしても画像処理本の隅っこにあるような話で,一冊の書籍として著されることは稀な気がします。ネットの論文なんかを読んでいると,たまにお目にかかるくらい(まじめに調べてないってのもあるんだけど)。一般向けに書かれた書籍として本書は貴重なんだと思います。

本書はまず,画像処理の基本から始まって,ベイズ統計やMCMC法(マルコフ連鎖モンテカルロ法),統計力学との関係といった基本事項を最初の1/3で確認します。その後,具体的な適用事例として,ノイズ除去と領域分割,それに輪郭抽出が挙げられる構成です。

巻末には,変分法や離散フーリエ変換の簡単な説明もあるし,実装例としてソースコード(C言語)があるので,前知識がないとまったく読めないということはないはずです。本書を終えれば,一通り必要な手法は身に付くんじゃないかと期待。参考文献もしっかり挙げられています。

個人的に,確率モデルを使うと処理が膨大になるといった思い込みがあるもんで,読んでて萎えることがしばしばあるんですけれど,今はどうにもならないので,ひとまずガッツリと読むことにします。あとは,神様(というひらめき)が降りてきてくれるのを待つだけなんだけども,最近神様とはごぶさたなんだよな……。

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