Entry

時効廃止つれづれ

2009年07月18日

ふと思ったことだけ少し。

時効については,民事でも刑事でも時効学説と呼ばれるもんがあって,存在意義からそれにまつわる法律要件-効果の考え方まで,百花繚乱なわけだけれども,時効をなくすというのはどういうことなのか。

まず,刑事について直截的に問題になるのは,40年も50年も前の犯罪でも,現在の事件として法的な評価の対象になるということです。この点,捜査機関はそれで特に問題はないんだけれども(事実上,捜査機関の怠慢を助長することになるかもしれないが),問題は被告人の防御資料が散逸してしまうことなんだと思う。「40年前の7月18日,あなたは何をしていましたか?」とか言われても,アリバイを答えられる人は少ないはず。また,その供述を補強する物的証拠も通常なくなっているだろう。これは,一部弁護士が主張していることだけれども,廃止するならこれまでの時効制度を前提とした証拠法理とは別の手当てが必要なんじゃないだろうか。

もうひとつ,捜査法からの視点で,時効にかかっていない,はるか昔の凶悪被疑事件を本件として,現在の事件について別件逮捕/取調べを行う捜査手法はありうるんじゃないかと思う。通常,別件逮捕は,軽い罪を本件として重い罪である別件の取調べをすること,とされているけれども,公判維持の可能性がないような過去の事件で言いがかりを付けておいて,現在の軽い事件を取り調べるとかいったことにはならないだろうか。別件逮捕・取調べの違法性の基準は見直すべきなんじゃないかと思う。

また,訴追側(検察)について,公判を維持できないような訴追を乱発するようなことがあったらマズい,というか迷惑。この頃は,検察審査会法の改正で起訴にいたるケースもあるけれども,起訴相当の判断を厳格化するルール作りは必要なんじゃないだろうか。

さらに,これがよく分からないんだけれども,刑事の時効が撤廃されたとしても,民事賠償の請求権はこれまで通り時効にかかります。議論では,被害者の感情云々が強調されているんだけれども,それを言うなら,民事の時効を延長なり撤廃なりする方が先なんじゃないだろうか。有罪判決をもらうだけで被害者は十分なんだろうか。

なんだか,いきなり極論が出てきた感じでびっくりしてしまった。

Trackback
Trackback URL:
Ads
About
Search This Site
Ads
Categories
Recent Entries
Log Archive
Syndicate This Site
Info.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Movable Type 3.36
Valid XHTML 1.1!
Valid CSS!
ブログタイムズ

© 2003-2012 AIAN