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今日観てきた映画 - 『南極料理人』

2009年08月23日

朝起きて少し活動するも,疲れが残っていたため昼食後二度寝。起きたら18:00を回ったところでした。で,せっかくの休みなのに何もしないのもアレだなー,ということで,レイトショーでも観に行くことに。少し前から気になっていた『南極料理人』を観てきました。

本作は南極の観測隊とその料理担当である西村(堺雅人)の話なんですけれど,これといって大きなストーリーはありません。驚天動地するような事件も起こらなければ,場面がぐるぐると変わるようなこともない。南極が舞台の作品ですからね。そゆ事件が起きてたら,普通全滅しちゃう。

一方,かといって,本作は南極の厳しい環境や観測基地の閉塞状況に焦点を当てた作品でもなければ,西村のプロフェッショナルぶりや特殊な能力を持ったキャラクターが登場するわけでもありません。出てくる人物は,少しだけコミカルにデフォルメされてはいるものの,普通にどこにでもいそうな人たちで,どこにでもありそうな背景を持っている人たちです。南極の特殊な状況や閉塞状況は,言ってみればシチュエーション・コメディの舞台として機能しているもので,「すごい環境だろ,おまえら」みたいな,これ見よがしな説明があるわけじゃありません。

こうした演出は,所々に見られるアドリブ(多分)からも伺える。キャストに舞台役者さんが揃っていることもあって,ここら辺はさすがだな,と。

じゃ,何があるのかというと,南極の閉塞状況で観測隊が「上手い具合に」まとまっていく過程と,それぞれの隊員が,家族や仕事,仲間や自分自身に対して抱く,どこにでもある印象を変容させていく過程です。それが西村の作る食事を通して描かれる。

これは深読みかもしれないけれども,西村が作り出す食卓を通じて,多様な食卓観や食事観が演出されるところがとても面白かったです。「生存するための事務的な食卓」から,「休息の場としての食卓」。「お祝いの場としての食卓」や「フォーマルな食卓」,そして何より「家族の食卓」といった具合。最後の食事のシーンに,「家族の食卓」的な演出があるんですけれど,結局このシーンにたどり着く(収束する)ための過程だったといってもいいんじゃないかと思います。また,ぐずぐずの鶏唐を食べて,遠い本国にある「家族の食卓」を思い出すシーンは,娘の乳歯をなくして傷心した西村の慰めとしては,これ以上ないもので,微妙に泣けます。

描写が説明的ではないので,こちらが読み込まなきゃいけないところが多々あるんですけれど,その分,何度観ても面白い作品として描かれているんじゃないかと思います。無理矢理感動させるような押し付けがましさのない,いい意味で典型的な邦画作品。おすすめです。

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[2009年08月27日 21:32] 「南極料理人」西村君、ハラ減ったよ! from soramove
「南極料理人」★★★☆ 堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補主演 沖田修一監督、125分、2009年             ... [more]
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