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少しの工夫で文章が分かりやすく見えるコツについて

2009年09月24日

あたしもあまり文章はうまくないんですけれど,他人様のブログを読んでいると,「あー……この人は日本語を分かっているのに,コツを踏まえていないばかりに,分かりにくい文章になっているんだなぁ」と,上から目線で思うことがあります。そゆ方向けに,少しの工夫でうまく見えるコツを書いておきます。というか,自分がいつも気をつけていることなんですけれど。

まず,文章を書く目的は,大抵の場合(将来の自分を含む)他人に向けてメッセージを残すことですから,メッセージを受け取った人が分かるように書くといい,というのは,なんとなく分かると思います。で,この「分かるように」というのが,難しくて困った話になる。どうすればいいんでしょう。

以下では,ひとつ例を挙げさせてもらって説明します。勝手に添削しちゃって申し訳ないんですけれど,実際にネット上で見つけた文章です。注記しておくと,この文章が悪いというわけではありません。自分が気をつけている点を説明する例として分かりやすかったので,挙げさせてもらっただけです(迷惑がかかるといけないので,リンクは張りません)。どちみち失礼なので,ここであらかじめ謝らせてもらいます。ごめんなさい。

何度も色々な企業に挑戦しているという方であれば、どういったことをすれば良いのか分かっているという方もいるかもしれません。ですがそれ自体が単なる思い込みに過ぎないという可能性もあるのです。

経験が豊富だということは、それだけ多くの企業から内定をもらえずにいるということです。その状態で培われたノウハウが正しいという保証は全くありません。ですから自分はなぜ内定をもらうことができないのかという悩みを打ち明けるという意味でも、就職説明会は大きな役割を持っていると言って良いのではないでしょうか。

上の文章は,おそらく,論理関係において過不足はないのだと思います。「自分の就活ノウハウが正しいのか,就職説明会で聞いてみよう」という趣旨も伝わります。ただ,もう少しだけ工夫することで,格段に分かりやすくなるとは思うんです。

この点,引用を読んでいて思うのは,文章の論理関係が見えづらいことだったりします。こゆ文章は,(自分の文章も含めて)ネット上のあらゆるところで見つけることができます。

どこが見えづらいのかというと,2段落目の冒頭,「経験が豊富だということは」と書き出されるところ。「○○だということは」と書き出されているということは,「○○」でそれ以前の文を承けているはずです。しかし,この文章では,「経験が豊富」に対応するはずの文が,ぱっと見では分からない。少しだけ読み込むと,「経験が豊富」というのは,次の文と対応することが分かります。

何度も色々な企業に挑戦しているという方であれば、どういったことをすれば良いのか分かっているという方もいるかもしれません。

この一文を,「経験が豊富」という5文字にまとめたわけですけれど,さらっと読んでこの対応を拾うことは難しいんじゃないでしょうか。というのも,この5文字と上の引用文との間で,どこにも共通する言葉がないからです。論理は通っているけれども,見えづらい。

じゃ,どうすればいいかというと,指している言葉を,そっくりそのまま繰り返せば分かりやすくなるはずです。例えば,「経験が豊富」というのを,次の言葉で置き換えてみたらどうでしょう。

何度も色々な企業に挑戦しているということは、それだけ多くの企業から内定をもらえずにいるということです。

これで前後の関係がはっきりしたんじゃないでしょうか。

この場で言いたいことは,要するにこれだけで,つまり,文中の指示関係/論理関係を具体的かつ明確に書くということです。難しげにまとめてしまったけれども,多くの場合,上の例と同じように,前の文で一度使った言葉を繰り返すだけで,分かりやすくなるはずです。

あたしも文章を書いていると,読者に甘えて,「これ」とか「それ」とかいった指示語を連発したり,前置きなしに論理関係のあるキーワードをいきなり出すことがあって,気をつけなきゃと思っているんですけれど,こうした曖昧な語句を使った指示関係や論理関係は,自分が思っているほど読者には読まれていません。ややしつこいと思うくらいに,指示対象やキーワードとの対応を繰り返す方が分かりやすくなる,というわけです。実践してみたらどうでしょうか。

で,ここからはおまけ。

先ほど,文章を少し直したんですけれど,「何度も色々な企業に挑戦している」と直接的な言い回しにしてしまったために,読者への配慮が欠けてしまったことも否めません。この文章の読み手は,就職活動に難儀している人でしょうから,「何度も色々な企業に挑戦していること」つまり「何度も落ちていること」をほのめかすのは,気の利いた文章ではありません。

物事を提案する文章の場合,読み手の改善点を指摘することが不可欠なわけですけれど,意図してしているのでもない限り,むやみに人を傷つけるような表現を使うべきではありません。で,こゆ配慮は「人を気遣う心」のようなソフトでウェットな感情論で解決するわけではなくて,あくまでも「日本語の表現力」の問題なんだと思っていたりします。表現がつたないばかりに,意図せず乱暴な言い回しと受け取られることは,割と多かったりします。

上の文章でいうと,就職活動の「経験が豊富」というのは事実なわけで,就職活動を始めて右も左も分からない人と比べたら,ある種の強みでもあるはずです。「何度も色々な企業に挑戦している」ことを全否定する必要はありませんよね。

ということで,この場合のフォローとして分かりやすいのは,「何度も色々な企業に挑戦している」ことの肯定的な面と否定的な面を両方指摘してしまうことなんじゃないかと思います。例えば,次のような具合に。

何度も色々な企業に挑戦しているということは、就職活動の経験が豊富な証拠で、ひとつの強みです。しかしながら、これは裏を返すと、それだけ多くの企業から内定をもらえずにいる証拠でもあるはずです。経験が豊富であると、自分だけの思い込みでノウハウを作ってしまうこともあります。つまり、誤ったノウハウを身につけてしまっている可能性もあるのです。

どうでしょうか。「だから」説明会に参加して,他人の目を通じて自分の就活ノウハウを再検証してもらおう,という次の文章とつながりやすくなるんじゃないかと思います。却って分かりにくくなっちゃったかもしれませんけど。

人のことは言えないんですけれど,ネットの文章の場合,さらっと読まれることが多いことから,ややくどいと思うくらいに論理関係を繰り返すのが,文章を分かりやすくする秘訣だと思ったりします(と,くどく繰り返す)。ムズカシイデスネ,ニホンゴッテ。

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