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2009年10月4日朝日朝刊「声」より

2009年10月04日

憲法41条では「国会は、国の唯一の立法機関である」と定めており、素直に解釈すれば「国会議員が法律を制定する」のは当然で、「議員立法」なる言葉の存在すらおかしなことである。立法府に属する国会議員に立法を禁じることは憲法違反ではないか。

なんか突っ込みどころが満載なんだけれども,ふう……。

まず,今回の話は,民主党内の法案提出に関する内規の話なわけで,「憲法違反です」といったところで,法制上何も起こらない。大体,違憲を確認するためにどういう訴えを提起するんだ?おそらく,消去法で内規の「無効確認の訴え」(民事訴訟)を提起することになるんだろうけども,「訴えの利益」が……。一応,直接持ってくることはできないけれども,内規の適法性判断について参考。

2 町との間で給水契約を締結しているが住民基本台帳には登録していない別荘所有者らが,町営水道の一時的な休止を認める対象者から別荘所有者を除外している「高根町簡易水道事業給水条例及び施行規則に関する内規」は,同人らを不当に差別するものであるとして提起した同内規の無効確認の訴えにつき,当該内規は,同町の簡易水道事業における内部の取扱方針を定めたものにすぎず,水道法14条1項に基づく供給規程の一部として直接水道需用者の供給契約の内容となってこれに義務を課すものではなく,同内規の定立自体によってはいまだ同人らの権利又は法的地位に対する具体的不安ないし危険が発生したとはいえないとして,前記訴えは,民事訴訟としても行政訴訟としても不適法であるとした事例

判例検索システム>検索結果詳細画面

あと,議員が立法できない場合,それだけで憲法違反だとかいうなら,すでに憲法違反の法律を日本は持ってることになるんですけど……。

第56条 議員が議案を発議するには、衆議院においては議員20人以上、参議院においては議員10人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員50人以上、参議院においては議員20人以上の賛成を要する。

国会法 56条1項

当たり前ですけど,合憲の判断があります。気になる方は自分で調べてみるといい。クリティカルな法案は,大抵予算を伴うから,50人以上の議員で発議しなくちゃいけないわけだけれども,この数はかなり高いハードルだったりする。個人的には,民主党執行部の党内民主主義の程度を測る上で,この数字はひとつのメルクマールになると思っています。

あと,「国会議員が法律を制定する」というときの「制定」についてなんだけれども,「声」の人は,議員が発議する法律案がどのような手続と議決を経て法律となり,執行されているか,その段階からして知らないんじゃないだろうか。そして,手続上,「国会の意思」を定立するうえで,何が決定的に必要な手続なのか,思想的にも法制的にも知らないのだと思う。中学校でも習うことなんですけどね。

どっかのおっさんが,大学受験の必須科目に経済学を入れろとかいってたけれども,憲法学か政治学も科目も入れてほしい。どっちも科目は「政治経済」になるんだろうけど。

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