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ソフトウェアベンダの体力と基礎的なライブラリの関係

2010年03月29日

ソフトウェアベンダといっても分野が広範に亘る業界なので,知っている範囲になってしまうけれども,なんとなく会社の体力というか,そゆものについてつらつら。

近頃は,ソフトウェアベンダも不況なもので,企業様の設備投資にお金が回らなくなっているところは,なんとなく実感としてあったりします。「なんとなく」というのは,あたしが SI な部門から離れていることもあるし,今いるところの製品については割とよく売れているから。

技術者1人がどれくらいの稼ぎをすれば会社の採算が合うのかについて,詳しいところは知らないんだけれども,とあるところでは「年収の3倍売り上げないといかん」とか聞いたりします。年収500万円の技術者だったら,1500万円売り上げる必要がある,と。ま,ここら辺も,営業部門に対する間接部門的な位置づけにあるような技術者さんだったらあまりピンとこないだろうし,あたしがいるような製品部門では,直接的な売り上げを上げることも大事だけれども,会社資産となるプログラムを保守/改修する業務も含まれるので,直近の売り上げ云々の影響はあまりなかったりもする。

一方,受託をメインにした業務の場合は,仕事をもらう→予算の制限内で作る,といった過程を経るためか,営業的な要素がかなり増えたりもします。んなもんで,直近の売り上げに関する限り,受託部門は結構厳しい(ように見える)。実際,知っているところで受託をメインにしているところは,結構バタバタと倒れていたりします。

この点,自社製品を持っているか,といた基準は,そのソフトウェアベンダの安定性を見る上で,ある程度の指標になったりします。不況になって,製品事業に手を出す SI 事業者も増えているみたい。いくら大手と取引していても,不況になったらあっさり切られちゃったりするわけで。で,さらに言うと,製品ベンダの中でも,基礎的なライブラリを自前で用意しているところは,強い感じがします。

基礎的なライブラリというのは,例えば,行列の演算ライブラリとか,基本的な画像処理ライブラリとか,文字コードの変換ライブラリとかのこと。こゆライブラリは,直接お客さんの目に触れることのないライブラリなので,他社製品に依存してしまいがち。保守や免責のことも考えると,それが一概に悪いわけでもないんですけれど。

自社の基本ライブラリは,大抵のソフトウェア会社は自前で用意していると思うんですけれど,こゆのを用意しておくと,まず,「自社製品との整合性をとりやすい」といった設計上のメリットがあります。また,開発メンバは否応なく自社ライブラリに習熟するので,新規の開発案件や改修案件でも,基礎的なロジックに関する限り,ほとんど何も考えなくても設計することができる。これは,C++ のような基礎ライブラリが貧弱な分野で開発する上では,ありがたい恩恵です。なにせ,XML の解析やネットワーク関連の制御すら,標準では付いてこないわけで。

もちろん,ソフトウェア業界全体からすれば,車輪を再発明しまくっているわけだけれども,個々のベンダから見ると,そうした技術基盤をすでに開発していることが,それだけでひとつの強みになっているような気がします。先日,「作れるもんは自分で作ろう」な方針について,そのメリットを書いていなかったので,補足気味に書いてみました。ま,社内で枯れてないライブラリは保守大変だから,それが一概に良いとも言えないんですけど。

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