Entry

中小製品系ベンダーの生き残り戦略とか

2010年05月08日

なんつか,小さい会社にいると,社内の偉い人とご飯を食べることもそれなりにあるわけで,先日,そゆ方と話をしていたんですけれど,製品系ベンダーの中でも特に小さなところの生き残り戦略の話題になったのでした。ここではそんな話をば。大きいところは,受託と同じくベンダや製品を丸ごと買って再販している場合が多いので,あまり参考にはならないかも。

受託方面のソフトウェア業のリスクが,仕様変更や開発時のトラブルによる納期の遅れや予算割れだとすると,製品方面のリスクは,作ったもんが売れる(当たる)かどうか,という,割とシンプルなものだったりします。もちろん,製品を作ったりメンテナンスする際にも,納期の遅れや予算割れのリスクはあるわけだけれども,受託と比べると相当緩かったりします。それよりも,作ったもんが箸にも棒にもかからないような無駄骨作だった場合,つまり企画段階で失敗するリスクの方が高い。そゆリスクをどうやって抑制していくのか,という話をしていたのでした。

ま,あたしゃ開発者なので,経営的なあれこれにいちいち首をつっこんで云々する立場にないんですけれど,話自体は結構面白かったです。

結局のところ,当たると見込んだ製品をいきなり市場に出すようなヤマ師的なやり方は,特にソフトウェア業の場合,あまり元が取れないんでねいかということに。どうしてかというとですね,ソフトウェア業の製品は,当たり外れのリスクは高いものの,当たると分かった製品を自分のところで作ることが簡単にできるからです。どこか別の会社に先鋒として突撃させて,当たると分かった製品を作る,と。そうすれば,あとはシェアの問題になるので,商業的なパワーゲームに持っていきやすいというわけです。

これは多分,よくやられている戦略だと思うんだけれども,パワーゲームになったら中小は負けるに決まってます。負ける戦いはしたくないところ。

もうひとつの戦略としては,製品ではなく半製品の形で市場に出す戦略があります。つまり,ライブラリとか OEM とかいった形で売るわけですね。半製品は,それだけでは製品になっていないわけですけれど,多くの場合,UI や実行環境(サーバで動かすかローカルのアプリケーションにするのかとか)を限定せずに,目的に限定した機能だけを提供することから,ある程度上に乗っかるアプリケーションをカスタマイズすることができます。お客さんが開発部門の人だったら,ライブラリをそのまま買ってもらえばいいし,上に乗っかるものを作れないお客さんには,うわものを受託で請け負うなりカスタマイズ費用をもらって製品化すればいい。SIer さんだったら,自分たちの代わりに売りさばいてくれるでしょう,というわけ。

また,半製品を売るメリットは,拡張性や柔軟性だけではありません。

半製品はカスタマイズする際に,お客さんの需要を掘り起こしやすいんですね。ガッチリと製品として作ってしまうと,「お前の要望はいいからこの製品を使え」となりがちなんだけれども,半製品なら既存のライブラリの機能として組み込むことで買ってもらえるだろうし,何より市場の需要にあわせることができる。つまり,上に言うようなヤマ師的なアプローチをいくぶんか低減することができるというわけ。市場を探りながら,商売できるというかですね,そんな感じ。このメリットは大きいです。

もっとも,どんな製品でもこゆ売り方ができるかというと,そういうわけではありません(多分)。例えば,普通のよくある画像処理ライブラリを半製品の形で売ってもあまり需要はないはずで,よっぽど高性能/高精度でもない限り「開発面倒だから Photoshop 買うわ」とかいうことになるはず。こゆことをするには,分野において割とニッチなところを攻めなくてはいけないはずです。そのためには,かなりの技術力が会社にないといけません。

先日の某人は,あたしがどちらかというと研究に近い開発職に就いているからそういう話をしてくれたんだと思うんですけれど,にゃるほどねー……とうなずく限りでした。ま,展博も近くなってきたことだし,そゆはなしも出てくると。ただそれだけ。

Trackback
Trackback URL:
Ads
About
Search This Site
Ads
Categories
Recent Entries
Log Archive
Syndicate This Site
Info.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Movable Type 3.36
Valid XHTML 1.1!
Valid CSS!
ブログタイムズ

© 2003-2012 AIAN