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DPI の話について注記

2010年06月07日

なんだかもう,そんなに興味もないんだけれども,先日書いた DPI の話で注記がてら。なんか勘違いしている人がいるみたいなので。

うちは固定 IP をもらっているから,プロバイダがばらせば IP から住所や個人を特定することは簡単だったりします。しかし,個人情報保護の話と通信の秘密は,プライバシー保護という点で共通するものの,本質的に自由権としての質が違ったりするんですよ。プライバシー権としての通信の保護と,憲法21条(表現の自由)の一環としての通信の秘密を安易に同視するのは,おそらく米法的な法体系に引っ張られすぎているからじゃないだろうか。

また,通信の秘密の保護対象は,個人間の通信であればいいわけで,信書はもちろん電子メールも含まれる。のろしでもいい(多分)。制度趣旨というか保護の対象を考えれば,そんなこと必然的に導かれると思うんだけれども,なんというか,なんなんだろ。

先日も書いたけれども,DPI の問題と憲法21条の問題を一応分けて考えなくちゃいけないのは,私人間効力があるかという点で,若干の問題があるから。もっとも,実際上は電気通信事業法上の解釈で憲法21条の趣旨が考慮されるから,大きな問題にはならなかったりする。米法との関係で言うと network neutrality の問題ということになるんだろうけれども,ま,それはそれで識者の解説に譲ります。

通信の秘密を侵害する場合,それがお咎めを受けないとすれば,当事者の同意がある場合はもちろん,(公権力の場合)令状があったり,(私人間の場合)正当業務行為だったりする場合が考えられます。Winny をはじめとした P2P の DPI は「通信パケットの制御を適切に行うため」といった目的があったために,ある意味で正当行為とも言えたけれども,営利目的の通信内容分析は正当行為と言えるのだろうか。同意がなけりゃ無理でしょう,と。で,ホントに同意がある場合だけインスペクトするんですか?というと,あたしゃ怪しいと思う,と。

インターネットに乗っかってるってこと自体が大きな意味で「同意」なんだよ,とかいった暴論が出てこなきゃいいんだけど。

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