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官僚的な IT 業界はこれからも続くだろうけどどうでもいいという話

2010年08月20日

中島さんの以下の話から。この手の話は,話し出すとキリがないんだけれども。

通信業界にはもちろん、携帯電話メーカーにもソフトウェアを自分で書ける人がいない今の日本の状況を考えれば、世界のトップクラスのソフトウェア・エンジニアを自社で抱えるアップルやグーグルにおいしいところを持って行かれても当然。いままでさんざん「ITゼネコンや下請け」にソフトウェアの開発を丸投げにして来たツケが今になって回って来ただけのこと。

(snip)そろそろ「ITゼネコン」から脱却して、社内に「自分でコードが書ける」ソフトウェア・エンジニアを育成する時期だと思うんだがどうだろう。前にも別のところで書いたが、「コードを自分で書かないエンジニア=自分で料理をせずにレシピだけ書いている料理人」と同じだと覚えておいて損はない。

Life is beautiful: WEB+DBコラム「なぜ日本のソフトウェアが世界で通用しないのか」

まぁ,その通りだな……と。うちの会社は技術者出身の人がほとんどなので,簡単なプログラミングはほとんどの人間ができるんだけれども(営業でも C や Java,VB くらいならいじれる),そゆところは珍しい。中途で入ってくる方にも,珍しいと言われます。ま,そこまでみんながモノを作れなくてもいいとは思うんだけれども,引用のように,何もモノを作れないくせにソフトウェエアベンダを名乗っている企業は普通にあったりします。

で,こゆ風になるのには背景があるわけで,この業界にいるとそこら辺をヒシヒシと感じるんですね。背景というのは次のようなもの。

  • 日本でモノを作る条件として技術力のほかに政治力(規制への配慮や同業への根回しなど)がかなり大きな比重を占めている。
  • 土木事業の背景をそのまま当てはめたからか,実装作業(プログラミング)が知的生産に関わる作業として位置づけられていない。
  • 形式的で前例主義的な意思決定を採用する傾向が強く,技術開発を取り巻く環境が過度に保守的になっている。

要するにですね,日本の IT 業界ってのは,上流工程にいけばいくほど官僚主義的になっているんですね。実際に作業はしないで,指示だけする人。で,こゆ構造は,一企業だけの問題ではなく,あらゆる側面からサポートされている。例えば,意外に思うかもしれないけれど,次のようなものが挙げられる(と思う)。

  • モノを作れなくなったじじいを,降格ないし配置換えしないまま「技術者として」社内に残置させる目的で作ったポストが,ことのほか高いポストになっている現状。
  • ヘタレなものを作っても,マーケティングでゴリ押しすればなんとかなることに味をしめちゃったがために,マーケティング方面が本来の技術力からかけ離れて異常な熱を帯びている現状。
  • 商業的なリスクを考慮しなくても,仲間内だけで通用する論文だけ書いてれば食えてしまう,研究機関の現状。
  • 国家資格となっている IPA の技術者試験が想定するキャリアモデルですら,基本情報技術者→応用情報技術者→システムアーキテクト→プロマネ→シスアナの順にキャリアを形成することを前提としている現状(参照:情報処理推進機構:IT人材育成:ITスキル標準センター:ITスキル標準概要)。
  • 技術者個々人が自分の技術を安売りしている現状。

やや煽り気味に書いているけれども,つまるところはそういうことなんだと思います。官僚化を進めるように,制度が作られている。

マーケティングかぶれの某元技術者なんて(自分は技術者のつもりのようだが,あえて「元」という),「一流の技術者はプログラムを書く必要はない」とか言い切っちゃうわけで(実際何度も聞いている),もうやれやれといった感じ。実装技術すら危ういというのに,あんたから実装技術を取ったら,本当に何も残りませんがな的な……。

ま,個人的には日本の IT 業界なんてどうなってもいいんですけどね。技術者にとって,資本の内外はあまり関係ないわけで……。

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