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今日読んでた本 - 『XBRLによる財務諸表作成マニュアル』

2010年12月12日

古本屋で買ったのでつらつら読んでました。古本屋は個人的な関心からやや遠い本も気軽に買えるので,気分転換によかったりします。

XBRLによる財務諸表作成マニュアル

日本経済新聞社
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XBRL(eXtensible Business Reporting Language) というのは XML の上に乗っかっている規格で,企業財務関係のデータを扱うためのフォーマットです。税務の電子申告とか東証の決算短信なんかでは,すでに XBRL 形式のデータでやり取りしているんですけれど,技術者方面の向きは専門に従事している人でもない限り,あまりなじみがないと思います。あたしも名前を知っているくらいで,詳しい仕様や活用場面はほとんど知りませんでした。

で,本書はその XBRL の話。技術本でもなくまたビジネス本でもない,しいて言うなら PR 本です。XBRL の普及と啓蒙(!)を目的にした本。XBRL は会計関係の書面を電子化するための規格ですから,本書は会計と XML 周辺の技術話に焦点が当たっています。あたしゃ会計関係にはまったく疎いもんで,会計関連の記述がどれだけ正確なのかは分からなかったけれども,技術方面についてはあまり理解がない感じ。ウソ書くなよ,というところもちらほら。

ま,執筆者を見ても,上流の人達ばかりなので,この点はしょうがないかな,と。上流の方々のオシゴトは,具体的な実装はともかく「夢を見ること」なわけで。こゆ人達が口にする言葉には,「開発効率が高まる」とか「柔軟に対応できる」とかいったもんがあるけれども,過去の実績からそゆことは一切ない(開発効率が高まってる「はずだから」納期を早くしろという話はあるが)。読者としては,「あー……そう『願っている』のね」くらいの気持ちで読むといいと思います。

一方,XBRL 自体については,上流のおっさんのうわ言ではなく,金融庁や東証が具体的なデータ形式として提供しはじめていたりします。また,それらを取り込んでウェブサービスとして提供しているサイトもいくつかあります。今のところ,巷に出回っているウェブサービスやアプリケーションは,XBRL 形式のデータを 整形して出力するだけのものだけれども,具体的な分析手法を適用した応用的なアプリケーションを開発する余地は十分残っています。金融や企業分析に興味のある方には,魅力的なリソースになると思います。

本書は,概略を押さえるための読み捨て本だと思っていい。また,本書はあくまでも XML 形式にシリアライズした後のデータ形式について話しているので,これだけですべてうまくいくと思ってはいけません。一般に,データが複雑化するということは,その処理も複雑化するわけで,XBRL 対応のアプリケーションがいまだに揃いきらないのは,そのことが理由だったりもします。現実を踏まえて XBRL 対応のアプリケーションを作ろうと思っている向きは,本書のどこがうわ言でどこが実装的に重要なのか,見極めながら読む必要がありそうです。

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