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キングジムのショットノートのこととか

2011年07月14日

iPhone と手書きのメモを連動させることができるショットノートのこととかつらつら評価。

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ショットノートは,手書きのメモを iPhone のカメラで撮影することでメモを電子化するツールです。撮影したメモは,アフィンゆがみ(線形ゆがみ)が自動的に補正されて保存されます。アプリケーションは,簡単な数字認識機能も備えているので,日付や通番を振って管理することもできます。また,Evernote のようなウェブサービスとも連携することができる。メモ帳が有料で,取り込むためのアプリケーションが無料になっている。

で,まずあたしが気になるのは,このアプリケーションの仕組みです。普段認識系のソフトウェアを書いているので,気になってしまう。これは仕様を見る限り,QR(二次元バーコード)と同じような方法で認識しているのだと思う。QR にある(通常三つの)目玉模様は,位置あわせと傾き検出のためにあるんだけれども,これがよくできていて,走査線一本で高速に認識できます。入力画像のレジストレーションには,いくつか方法があるんだけれども,この方法ならプログラムも割とシンプルに構成することができる。また,(半)手書き OCR 機能は,この位置合わせを行って,アフィンゆがみを補正した後に行っているはずです。

つづきまして,メモを電子化するにあたっての一連の流れについてつらつら。

一般にプログラム側が簡単にできることと,利用者の可用性が高いことはトレードオフの関係にあります。プログラムが高速かつ正確に対象を認識できればできるほど,普通利用者の自由はなくなります。この点,このメモシステムの最大のキモは,メモ帳に印刷してある認識専用のマーカーということになるわけで,利用者は必ずこのメモ帳を購入する必要がある。これが利用者にとっての最大の制限事項です。この制限を飲めるかが,このメモシステムに乗るか否かを決める鍵になるのだと思います。

ちなみに,あたしゃ Android な人なので,このシステムには乗っかれません。また,仮に iPhone を持っていたとしても,あたしゃいつも A4 の裏紙をふたつに裁断してメモ帳にしているので,メモごときに新しい紙を買うなんてライフハックは想像もできませんでした。

もうひとつ,結局このメモシステムでマーカーが活躍するのは,おそらくアフィンゆがみを補正することだけなんじゃないだろうか,とも。一応,アプリケーションでは日付や通番を読み取れるけれども,これらはわざわざ苦労して読み取る必要がない。というのも,アプリケーションは撮影時に iPhone 内蔵の時計の情報が利用できるし,採番機能も簡単にソフトウェア内で作れるからです。システムで管理することでデータの可搬性が気になるなら,それらの情報を JPEG ファイルのコメントとして埋め込んでしまえば,どんな画像ソフトで読んでも同じ日付と通番を利用することができます。

また,日付や通番を画像データに貼り付けるくらいのゆるい管理をするためだけに,ユーザがお金を出してまでメモ帳を買うとも思えない。

例えば,メモは通常,その場で完成しているのか分からないことが多かったりします。追記したり消しゴムで消したり,といった具合にメモを更新する場合,この仕組みではその同期を取るのが難しいんじゃないだろうか。

おそらく,メモ帳と電子データ(メタデータ)をある程度厳密に関連付けるなら,メモ帳の一枚一枚にユニークなハッシュをつける必要があるんじゃないかと思います。具体的には,二次元バーコードのようなモノに適当なハッシュを埋め込んで印刷しておけばいい。こうすることで,具体的な「この紙」を符号的にアプリケーションと関連付けることができます。メタデータが一緒なので,追記して撮影しなおすことで,「同じ紙を編集したこと」をアプリケーションに知らせることができる(メーカーが個人を同定しやすくなるとゆことでもあるけれど)。

メモと電子データをどう関連付けるか,あたしゃしばらく悩んでいたもんで,ショットノートが出たときは「おー!」と思ったんだけれども,よく考えるとあたしの個人的な要件は満たしていませんでした。なかなか難しいもんです。はい。

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