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とあるテレビドラマを思い出した話

2011年10月09日

かなり昔,フジテレビだかでやってたドロドロ系の昼ドラで見た話なんだけれども,こんな話があったのを強烈に覚えています。強烈に覚えているので,以前もこのサイトで書いたかもしれないんだけれども。

時代は戦後まもなくだったか,とにかくそれくらいの日本の混乱期。主役は女性で,ある男性をヒモにして日々を過ごしているのでした。たしか主役の女性は,もともと財閥だかのお嬢様だったんだけれど,何かの拍子に(駆け落ちしたんだっけな?),ひどく貧乏になってしまうのでした。赤線に売り飛ばされたり,なんなりがあって,ようやく落ち着いたところにヒモが来た,と。

で,そのヒモなんだけれども,実は大きな研究機関の研究者をしていた経歴があって,自分の研究目標をかなえるために,その機関を飛び出していたのでした。つまり,フリーの研究者になった,と。彼が何を研究していたか,エネルギー関係だったか,医療(新薬開発)関係だったか,忘れてしまったけれども,ま,とにかく,その研究で成果が上がれば,たくさんの人が恩恵を受けることができる,と,彼は理想に燃えている。主役の女性も,その理想に惹かれてヒモにしたのでした。

ヒモのフリー研究者は,酒を飲んでは暴れたり,他の女性と遊んだりする。しかし,女性は彼の理想に惹かれてて,結局許してしまう。また,彼自身もまた自分の研究の理想に疑いを持っていない。……と,完璧なヒモっぷり,というか,共依存のドロドロっぷりを演じていました。

しかし,ある日重大な転機が訪れます。彼が元在籍していた研究機関から,元同僚がやってきたのでした。その元同僚は,彼を助けたいと思っている。「研究機関に戻ってほしい」だったか「他の会社を紹介する」だったか,とにかく,そんなオファーを出してくれます。しかし,崇高な理想を持ち,(自身では)清貧と思っている彼はそのオファーを断ります。「オレには大きな使命があるんだ!」と。

ところが,その元同僚は彼の言葉に驚きつつ,次のようなことを話すのでした。

おまえ,知らなかったのか?その研究は他の研究者が既に成果を挙げてしまったものだぞ。今では常識にすらなっている。今はその技術をさらに応用して,よりよい技術にする研究が行われているんだ。

ヒモ男は絶望します。フリーになってまで,ヒモになってまで求めていた自分の理想はなんだったんだ。元同僚の言葉で,彼は主役の女性に愛される(ヒモになる)ための大義名分を失います。というか,客観的に見れば,彼に大義名分なんて既に無かった。結局,彼は,海に身を投げて自殺します。

個人的に,この話で強烈だったことは,個人の力よりも資本の力が強いとかそゆことではなく(それもあるにはあるが),なんというか,孤立した個人の独り善がりの恐ろしさみたいなもんでした。自分では最先端を走っていると思っていても,世間は簡単にそれを追い抜いてしまう。それに気付かず研究にいそしむ人は,ピエロのようで,滑稽にすら映ります。かつて,自分もそういうことがあったから,特にそう思う。

翻ると,ソフトウェア開発にもそゆところがあったりします。つまり,なんというか,自分の理想と世間の理想にはある程度隔たりがあるものの,絶えず寄り添っていないといけないところがあったりします。活字 OCR の認識に情熱を燃やしていたところ,今は活字なんて読めて常識,今は手書き認識に重点があるんだよ,とか言われちゃったら,泣くに泣けないところがある。

なんとゆか,周りを見ることは大切だね,とま,それだけなんですけれど。ともかく,そんな感じ。

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