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今日観た映画 - 『源氏物語 千年の謎』

2011年12月11日

『源氏物語 千年の謎』観てきました。しかしこれは……どうなんだろ。東山か生田のファン向け映画とゆだけのようにも見える。例によって,ネタバレ注意。

この作品は,源氏で一般ウケしそうなところをダイジェストにしたもの。もっとも,少し変わっているのは,作者である紫式部の現実と,源氏物語という虚構が可換的に描写されていること。つか,それしかない。それしかないんだけれども,この可換的な描写も中途半端で微妙なことになっている。安倍清明が出てきた時点で,あー……出しちゃった,な感じに。

源氏は,そのままなぞってしまうとショボくなってしまう(原作には勝てない)し,視点をメタに置いた源氏論として書いてしまうと一般ウケしにくくなる(源氏を読んだことがある人向けになる)ということで,映画にするにはなかなか難しかったりする。この作品は,どちらかというと後者に当たるんだろうけれど,しかし,ここまでショボいとは……。

源氏で個人的に好きな巻は夕顔と若紫で,源氏物語前半の見所だったりします。おそらく,多くの人はこの巻が好きだと思う。夕顔は純朴なキャラクターで好感度(男性諸氏には特に)が高いし,若紫はその後の物語のキーになる話なので,印象深い向きが多いと思います。

しかし本作において,夕顔は一応出てくるものの,なんだか下町のアバズレみたいになっている。これにはかなりゲンナリ。若紫に至っては,登場すらしない。えー……。

一方,フォーカスが当たるのは,六条御息所。これもま,前半の見所で,割と映像にしやすいので,ここに焦点が当たるのも分かる気がする。さらに,本作では六条御息所を紫式部と同視して物語を展開しています。光は道長なんだとか。しかし,六条御息所の描かれ方はこれまでとあまり変わりがないし,六条御息所の狂気を紫式部に投影するには,話の筋からして無理がある。道長と紫式部の関係は冒頭のシーンだけで裏付けられているわけだけれども,もっと説得力のある布石が欲しかった。

あたしは浪人の時に古文で全部読んだけれども,源氏は源氏のままで読んだ方が絶対に面白い。なんだか,あらためてそれを感じてしまった映画でした。

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