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サンデル先生の向き不向きとか

2012年02月03日

少し前に流行ったサンデル先生の Justice なんですけれど,これは読み方があるんだよなぁ……とかつらつら。個別の議論ではなく,総論として。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル
早川書房
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某所でサンデル先生の感想を読ませてもらったんですけれど,サンデル先生の話には次のような特徴があります。

  • 各お題で功利主義やら定言命法やらからの当てはめが出てくるけれども,これ自体はサンデル先生の持論ではない。
  • 基本的にボトムアップで一般論(理論)に至る

特に後者について。これは,プラグマティックな問題から一般論を引き出すとゆ意味で,とてもアメリカ的な論理運びなのかもしれない。某所では,こんな簡単な話をハーバードではしてるのか?とか言っていて,トホホと思ってしまったのだけれども,アプローチが具体的で簡潔な事例から始めてるのだから,簡単なのは当然だったりする。

当然のことながら,ハーバードの授業で問題にしているのは,そういった個別具体的なケースではなく,それを通じて得られる一般解だったりする(あればの話だが)。そしてこれも当然のことながら,頭の良いハーバードのが学生や日本の学生は,個別具体的な各論の解決ではなく,一般的な正義論を念頭に置いて議論している。

冒頭の某氏は経済評論家だそうなんだけれども,この人に正義論は向かないのだと思う。そういう意味で。

あと,政治哲学を含む哲学には,学ぶ必然が必要だったりもする。死活に関わるような問題や自分の存在に関わる問題に直面して,初めて目の当たりにするものだったりする。したがって,そうした問題に直面したことのない人間に,飲み屋の教養話以上の哲学は生まれない。サンデル先生のお題は簡単な事例だからそうした重みがないけれども,聞く人が聞くとそれぞれにとっての問題の所在が掘り起こされるのだと思う。

ま,向き不向きだと思うんですよ。不向きだから悪いわけでもないし,向いてるから良いわけでもない。あたしも向いてるかっつったら微妙だし。そゆ分野なのだと思う。

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