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最近読んでる本 - 『マネジメント』

2012年03月08日

「もしドラ」で一世を風靡したドラッカーですけれど,そういえばちゃんと読んでなかったなということで,改めて読んでます。

ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 49881

邦訳書は3分冊になっていて,今日上巻を読み終わりました。あたしの場合,エッセンシャル版は読んだことがあるので,大体の概要は知っているんですけれど,こちらは論証が大雑把で理解できたようなできないような,モヤモヤがあったのでした。元本の『マネジメント』は,分量が分量だけあって丁寧です。ボリュームに圧倒された向きは,エッセンシャル版から読むのがいいと思う。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
P・F. ドラッカー 上田 惇生
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 251

ちなみに,少し前に話題になった「もしドラ」は,あくまでもネタ(というかパロディ)として読むものです。元本とはほとんどまったく関係ないので,ドラッカーを読むつもりでもしドラを読んでもあまり意味はありません。ネタにマジレスしてもしょうがないんだけれども。

で,中身。本書はいわゆる経営本で,あたしゃこの手の本は長らく敬遠していたのでした。というのも,巷に出回っているほとんどの経営本は,実践を伴わない机上の空論だったり,精神論だったり,宗教じみた布教本だったり,現役経営者の自慢や結果論だったり,「近頃の若いもんは……」を言い直しただけの話だったり,山師の一攫千金本だったり,と,とにかく質が低いからです。1時間で読めるようないわゆるビジネス本を読んで「勉強してます!」とか言ってるのは,結局何をやりたいんだか正直よく分からない。時間の無駄だろうと思う(もちろん,個人的な見解だけれども)。

一方,本書はというと,経営本という体裁だけれども,もっと別の分野の本なんじゃないかと思います。それは本書が,さまざまな研究領域を参照して総合的に経営を考えているから。本書は,経営学,経済学はもちろん,政治学,行政学,法学,工学,心理学,社会学,といった多岐にわたる分野を参照しています。組織を管理する上で得られた各領域の成果が,総合的に取り入れられている。経営学の研究者や経営者でなくても,響くところがあると思います。

本書が問題としているのは,突き詰めて言えば,組織社会化した現代において組織(営利企業に限らない)はどのように管理・運営すべきかということ。現在,社会と組織は切っても切れない関係になっていて,社会は組織の力なしに動くことはできないし,組織も社会と携わっていかなければ存立できなくなっています。本書が著されたのは1970年代だけれども,その傾向は現在に至ってますます強くなっている。組織が社会とどのように関わっていくべきか,そのためにはどのような仕事をするべきか,総合的に検討しています。

とはいえ,あたしゃ普段は,しがないソフトウェア・エンジニアなので,経営そのものについてあまり言えることはありません。本書における経営や経営学上の位置づけも,実際よく分かりません。

しかしま,反面思うんだけれども,ドラッカーはビジネス書として位置づけられているからか,モチベーションやら目的意識やらが異常に高い人にしか読まれていない印象もあったりします。モチベーションやら目的意識が高いことは,もちろん感心すべきことなんだけれども,一方で目的が読解力に勝ってしまうと,「自分の読みたいようにしか読まない」ことにもなったりする。巷の評を見ていると,自分流のドラッカー解釈が蔓延している(これはアレントも同じだが)。個人的には「そんなこと言ってねーだろ」とか思う評も結構あるんだけれども(特に,本書のマネジメント論を「個人の仕事術」や単なる「マーケティング術」として解釈している本は,全部嘘だと思っていい。本書はあくまでも組織運営・管理の本。),それはそれで回っちゃうのが不思議だったりもする。

分厚い本だけれども,気軽に読むと案外よく読めるのかもしれません。できれば,アルバイトでもなんでも,何かしら社会と関わる仕事に就いたら,できるだけ若いうちに読んでみるといいと思う。何がいいのかは,説教臭くなるから書かないけど。

とゆことで,中巻に進む。

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