Entry

低金利時代の繰越返済について

2012年05月29日

あたしにとって金融は魔窟なもんで,あまりえらそうなことは言えないんだけれども,先日聞いた低金利時代のローン返済計画とかつらつら。

住宅ローンの変動金利がここしばらく低金利で続いているわけだけれども,昨今は0.7%台も出るくらい。消費税が上がる直前だし,今なら住宅ローン減税も受けられるので,住宅を買うにはとてもいい環境です。特に,住宅ローン減税は,10年間残債務の1.0%が還付されるので,0.7%台の金利でお金を借りると,差し引きで0.2%ちょっとのお金が戻ってくるという,不思議なことになっています(お金を借りるとお金が増える)。

一方,変動金利というと,金利上昇リスクを考慮して,繰上返済するのが基本になっています。返済期間を短縮することで,金利上昇リスクをヘッジするというわけです。しかし,現在の環境で無理に繰り上げ返済するのは,損になったりリスクを増大させる可能性もある。

例えば,月々10.0万円のローン返済が可能な場合で,月々の返済が8.0万円のローンを組んだとします(返済可能額ギリギリを変動で借りるのは問題外なのでそゆもんは想定しない)。ここで,差し引き2.0万円浮くわけですけれど,これを繰上返済に回すべきかという話を考えます。最近は,繰上返済手数料や最低返済額の制限がとてもゆるいので,その分は考慮しなくていい。

まず,住宅ローン減税との兼ね合いを考えると,住宅ローン減税は,その年の12月時点に存在する残債(元本)に対して還付されます。また,繰上返済の効果が高いのは,(元利均等返済の場合)利息の割合が高い初めの方だったりもする。しかし,繰上返済は直接元本に充当されるので,元本が減ってしまうと,減税の効果が減殺されてしまいます。頑張って繰り上げるほど,還付されるお金が減ってしまうわけです。繰り上げたせいで現預貯金が少なくなってしまったとき,他の大きな買い物をするとなると(車とか教育費とか)他のローンから借り入れることになるわけだけれども,住宅ローンは国内のあらゆるローンの中でもとりわけ低金利なので,他から借り入れると逆に損になってしまう。

そうしてみると,月々10.0万円返済できる場合,8.0万円の返済はするとして,残りの2.0万円は「返済したつもり」で現預貯金としてとっておいた方がいい(もちろん,使ってしまったらダメ)。この2.0万円は,自分でリスクをコントロールするための資金です。

また,現在の低金利との兼ね合いもある。上の例の場合,2.0万円の繰上げ返済で得する利息は,現在の金利に基づく利息ですから,この低金利で繰上返済しても,得する利息はたかが知れています。固定ならともかく,変動の場合は金利が4.0%程度まで上昇することを考えるわけですけれど(当分ありえないと思うが),4.0%の時に元本に充当するのと0.7%の時に元本に充当するのとでは,得する利息の額は変わってくる。運良く返済期間中低利が続いたら,あまった現預貯金を他に回すこともできるわけです。

もちろん,繰上返済しないとその分利息のコストがかかります。しかしこのコストは,繰上返済して得する利息と同じ(反対から述べているだけ)ですでに確定しているコストなので,繰上返済しないことに対するコストは変動リスクがなくしかも低利です。

具体的な行動としては,現在低利の間は,なるべく繰上返済をせず(ライフプランによって返済期間をコントロールしたいこともあるだろうから,まったくしないことはないだろうが),減税で得をしつつ低利をリスクコントロールの味方につけておく(現預貯金を増やしておく)。

金利が上昇したら,消火器のように,これまでの返済額に収まるように繰上返済する(返済額軽減型)。リスクコントロールするだけの資金が手元にないのであれば,むやみに期間短縮せず(減税の続く10年以内に返済できるなら特にそう),現預貯金を増やしてリスク回避を優先する。

とゆことになるのだと思う。もちろんこの話も,金利が上昇するにしても緩やかに上昇することを想定しているので,これで万事うまくいくわけじゃありません。とにもかくにも,「現金は強い」とゆ話。

Trackback
Trackback URL:
Ads
About
Search This Site
Ads
Categories
Recent Entries
Log Archive
Syndicate This Site
Info.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Movable Type 3.36
Valid XHTML 1.1!
Valid CSS!
ブログタイムズ

© 2003-2012 AIAN