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「虫の心理の核心」についてメモ

2012年07月17日

日本三大奇書とか呼ばれている『ドグラ・マグラ』をちょっと読んでるのでメモとか。青空文庫で公開されています。本作は「奇書」とゆ触れ込みばかりが先行している感じがするけれど,実際言うほど奇妙な話ではありません。文体が軽やかな一方,毒気もあって,あたしは好きです。

次に……最後に、この虫の心理の核心……すなわち人間の本能の最も奥深いところに在る、一切の動物心理の核心を切開いてみると、黴菌、その他の微生物と共通した原生動物の心理があらわれて来る。それは無意味に生きて、無意味に動きまわっているとしか思えない動き方で、所謂群集心理、流行心理もしくは、弥次馬心理というものによって、あらわされている場合が多い。その動きまわっている行動の一つ一つを引離してみると、全然無意味なもののように見えるが、それが多数に集まると、色々な黴菌と同様の恐るべき作用を起す事になる。すなわち光るもの、立派なもの、声の高いもの、理屈の簡単なもの、刺戟のハッキリしているもの、なぞいう新しい、わかり易いものの方へ方へと群がり寄って行くのであるが、無論判断力もなければ、理解力もない。

ドグラ・マグラ』(夢野久作)

ネットでは増えたな,と思う。刺激やインパクトに弱い群集心理。分かりやすい方にばかり向かう群集心理。ま,そんだけ。

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